このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ハヌマーン】孫悟空のモデルか⁉|旅の玉手箱 インドの神様編-1
【ハヌマーン】
勇猛果敢、偉丈夫な巨大な白猿〈ハヌマーン〉。
獣神〈ハヌマーン〉は武勇知に優れ、神通力を兼ね備えた忠義の戦士として、インドで人気のある神様です。
インド古代の叙事詩「ラーマヤーナ」にて、主人公の英雄〈ラーマ〉を、猿の軍団と共に助けました。
「ラーマヤーナ」の物語の山場の場面です。
〈ラーマ王子〉の妻〈シータ妃〉が、羅刹王〈ラーヴァナ〉によって〈ランカー島〉に連れ去られたことから、〈シータ妃〉の救出劇が始まり、一大決戦が行われるのですが、その大決戦の際に〈ハヌマーン〉は獅子奮迅の大活躍をします。
知を兼ね備えた力持ち、神通力で空を飛ぶことができ、変化の術も使える〈ハヌマーン〉の力量は、猿の軍団長として申し分ありません。
一説ではこの〈ハヌマーン〉が中国に伝わって、「西遊記」の〈孫悟空〉のモデルとなったといわれています。
日本昔話「桃太郎」でも、猿が桃太郎に付き従って鬼退治に行く場面は、「ラーマヤーナ」のこの決戦のシーンとよく似ているように思います。
猿は今より以上に、昔は人間の味方として共に暮らしていた存在だったのかもしれません。
〈日蓮上人〉は〈ハヌマーン〉に命を救われた⁉
インド旅行中に縁を頂いた仏教寺で、ちょっとしたジョークとして聞いた話です。
日本の仏教「日蓮宗」の開祖である〈日蓮上人〉は、「法華経」にこそ仏教の神髄があるとして、その時代に広く一般に広がっていた信仰や考えに対して、一石を投じた信念の塊のような人でした。
その〈日蓮上人〉が、この国の未来のことを想って「立正安国論」に持論を綴った頃のことです。
既存の常識に切り込む行為は、不思議なことにその心が真っ当であっても反感を持たれるもので、反感を持つ人々に巣くった憎しみは、時に人の心を鬼畜にしてしまいます。
恨みを買った〈日蓮上人〉はある夜、命を狙われ、寝所を焼き討ちされます。
その危機を救ったのが〈白猿〉でした。
〈日蓮上人〉はその〈白猿〉のお陰で、危機を逃れ命拾いしたのでした。
実はこの〈白猿〉は〈ハヌマーン〉ではないのか?などと、空想を楽しんだのでした。
日本ではこの〈白猿〉は「山王権現」の化身といわれています。
「山王権現」は〈比叡山〉の神様です。
HanaAkari