このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ラーマ】ヴィシュヌの化身で英雄|旅の玉手箱 インドの神様編-2
【ラーマ】
〈ラーマ〉はインドの二大叙事詩の一つ「ラーマヤーナ」の主人公である英雄です。
インドの人々にとって理想的な人間像として愛されています。
「ラーマヤーナ」の英雄伝説は、演劇、伝統舞踊の題材として、現代にも引き継がれている非常に人気のある物語です。
インドのみならず、東南アジアの国々でも「ラーマヤーナ」と「マハーバーラタ」の二つの叙事詩は、伝統芸能の題材として、息づいています。
インドネシアでは、人形劇のワヤン・ゴレ、影絵芝居のワヤン・クリ、ヒンドゥー教文化のバリ島では、バリ舞踊が盛んです。
インド古代文化の影響の大きさを感じ、悠久のロマンを感じます。

〈ラーマ〉は、ランカー島を根城にする羅刹王〈ラーヴァナ〉を倒す為に、〈ヴィシュヌ神〉の化身として、コーラサ国の王子として生まれてきました。
〈ラーヴァナ〉の傍若無人の行いに神々ですら手を焼いていたのです。
若い時から文武両道で、才能に恵まれて育った〈ラーマ〉は、ヴィデーハ国の美しい姫〈シータ〉と出会い、結婚、幸せな日々を送りますが…
英雄たる者の宿命は、決して平坦な道ではありませんでした。
どん底から立ち上がるのが、英雄たる所以です。
それまでの幸福な日々は一転、不幸に見舞われた〈ラーマ〉に、さだめられていた運命の時が訪れます。
〈ラーヴァナ〉によって、最愛の妻〈シータ〉を連れ去られてしまうことから、生まれて来る前からの約束はいよいよ決戦へと展開していきました。
やはり英雄物語は期待を裏切らない、めでたしめでたしの結末が似合います。

「ラーマヤーナ」と「マハーバーラタ」のちょい比較
「マハーバーラタ」は宗教、哲学的思想が強いように思われます。
その中にある「バガヴァット・ギーター」の部分は、〈クリシュナ神〉から〈アルジュナ〉に向けて教えが述べられており、ヒンドゥー教の経典でもあります。
〈ラーマ〉のような主人公的な位置の存在が、「マハーバーラタ」では〈アルジュナ〉という王子です。
〈ラーマ〉と〈アルジュナ〉は共に王子であり、やはり苦行を強いられる辺りは似ているように思います。
「マハーバーラタ」では〈クリシュナ〉の存在が重要ですが、その〈クリシュナ〉は〈ヴィシュヌ神〉の化身といわれ、「ラーマヤーナ」「マハーバーラタ」共に、〈ヴィシュヌ神〉を讃えている物語だともいえそうです。
HanaAkari