このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【Kuch Kuch Hota Hai|何かが起きている】|旅の玉手箱 インド映画編-3
【Kuch Kuch Hota Hai|何かが起きている】
一番好きなインド映画です。
デリーとムンバイの映画館に何度も通ったり、小さな町の上映会とかで合わせて10回くらいは見ました。
インドでは人気のある映画はずっと上映されていたので、タイムリーでなくても何処かで見ることができました。
ロングラン上映の長さは日本では考えられないくらい長かったことが、この映画の虜になった私には幸いになりました。
初めてみた時は大流行りの真っ最中だったので、バラナシの外国人向けレストランでは「Kuch Kuch Hota Hai(クチュ クチュ ホタ ヘイ)」のサウンドトラックが四六時中流れていましたし、この映画の中で主役のシャールク・カーンが着ていた青いピチピチのTシャツを、真似して着ている若いインド人も度々見掛けました。
線の細いやせ型のインド人がピチTを着ているものですから、お世辞にも似合っていなくて可笑しかったです。
私はこの映画を見た時から、完全にインド映画の虜になってしまいました。
言葉は分からなくても、分かりやすいハッピーエンドのラブストーリーですし、小細工なしの直球の展開ですから、字幕もないのに言葉が分からないことは全く問題にならずに、完全に映画の世界にのめり込んでいました。
何度も見るうちに注目のシーンなどでは、私の中にセリフが出来上がっていましたが、もし字幕付きのものを見たら全然違っていたりして幻滅するのかな?などと妄想は尽きません。
日本でも公開されたようですが、その時の邦題が「何かが起きている」ですが、私が少し日本語の話せるインド人にタイトルの意味を尋ねた時は、「ドキドキ」だと教えてくれました。
かなり個人的な感情の入った意訳だったようですが、納得できる素敵なタイトルだと思います(笑)
この映画の主役の二人、シャールク・カーンとカジョールは人気絶頂の頃だったようで、それも納得の魅力に溢れ、輝いているようでした。
シャールク・カーンとカジョールの二人は「Kuch Kuch Hota Hai」の数年前に「Dilwale Dulhania Le Jayenge」という映画で共演し、空前の大ヒットを叩き出したゴールデンコンビだったようで、インド人の「Kuch Kuch Hota Hai」での興奮ぶりは、そのようなところからもあったようです。
私はデリーで再上映されていた「Dilwale Dulhania Le Jayenge」を見ることができたのですが、こちらも王道のラブストーリーに開いた口が塞がらない感動をありがとうございました。
日本では「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦~花嫁は僕の胸に」という少し狙った感のあるタイトルで上映されたそうですが、小細工なしの単純明快な純粋なラブストーリーです。
インド映画といえばダンスシーンが特徴の一つですが、「Kuch Kuch Hota Hai」のダンスシーンは、これは凄いといったダンステクニックはなく、ほのぼのとした感じです。
音楽も派手で激しい感じはなく、心地良く聴けて強烈ではないけれども、健康的な気持ちにさせてもらえるような名曲だと思います。
青春時代の三角関係の恋模様が、紆余曲折を経て大人になって再び甦ってくるのですが、この映画ではカジョールの演じるアンジェリをどうしても応援してしまいます。
カジョールの演じる、若い頃の天真爛漫な健康的なアンジェリはとても可愛いのですが、大人になった時のアンジェリの色気と気品のある美しさとのギャップがもの凄く対照的で、目は常に彼女に釘付けになるのです。
さらにゴールデンコンビ以外の役者もみんな魅力的で、素晴らしいストーリー、全てが相まって最高のハーモニーを醸し出している、本当に素晴らしい大好きな映画です。
何度見ても最後のシーンでは、感動で涙が溢れ出ました。
インドの映画館でだろうが、何処でだろうが、号泣しない訳にはいかない最高傑作だと思います。
【Kuch Kuch Hota Hai|何かが起きている】出演者について
インドの俳優事情は人気の男性俳優の活躍する期間は長く、女優は短い時期に華々しく咲き、次から次に新しい人が出てくるという印象がありました。
女優の入れ替わりは多いようですが、出演している時期には連続して出演しているようで、一定期間は同じ女優の出演する映画を次から次に見かけました。
世界一の映画製作数を誇るインドらしい一面だと思います。
ボリウッド映画の構成はヒーローとヒロインが必ずいて、準主役がその脇を固めるスタイルが王道のようでした。
〈シャー・ルク・カーン〉
男性主役は、〈シャー・ルク・カーン〉。
人気絶頂の超スターでした。
男前ですが、超二枚目という感じではないけれども、魅力がオーラとなって滲み出ているような俳優だと思います。
〈カジョール〉
女性主役、〈カジョール〉。
大人気でした。
健康的な魅力が溢れ出ていて、かつ美しい。
〈シャー・ルク・カーン〉との「黄金コンビ」で繰り広げられる物語は、色んな意味でこちらの目がキラキラさせられます。
〈ラーニー・ムケルジー〉
女性準主役、〈ラーニー・ムケルジー〉
少し斜に構えたようなミステリアスな色気があって、影のある感じがセクシーでした。
「Kuch Kuch Hota Hai」での役柄と、非常にマッチしているような印象がありました。
〈カジョール〉とは従妹の関係だそうです。
〈サルマン・カーン〉
男性準主役〈サルマン・カーン〉
主役もバンバン張っている大人気の俳優です。
「Kuch Kuch Hota Hai」では準主役の位置取りでしたが、最後にいいところを持っていった感じがありました。
ラストシーンでの〈サルマン・カーン〉はもの凄く切なく、そして飛び切りカッコ良かったです。
あの頃のインドの映画館について
インドの映画館はとにかく楽しい映画鑑賞ができました。
今のインドの映画館事情は分かりませんが、当時は日本の映画鑑賞マナーとは正反対の私からすれば型破りな映画鑑賞が、とても楽しかったです。
ちょっとしたラブシーンでは口笛を鳴らして喜ぶ人や、歓声をあげる人、手を叩いて感情を露わにする人、静寂とは無縁の映画鑑賞でした。
インド人の映画鑑賞は、とにかく思いを口に出したり、騒いだり、観客一体となって盛り上がっていました。
喫煙する人もいるし、まあ、日本だと摘まみ出される要素満載の楽しみ方がインド流で、無茶苦茶面白かったです。
映画の上映時間が3時間ほどありましたので、途中で休憩時間が10分ほどあったのも助かりました。
インターバルという画面が出て一旦休憩になるのですが、インターバルの前は必ず盛り上がるようなシーンになり、その余韻を持ちながらみんなトイレに行っては、口々に感想を述べあったりしているようでした。
私はあのインドの映画館が大好きでした。
勝手ながらいつまでもあのようなインドらしい風景は残って欲しいと思います。
HanaAkari