このブログは私が想像で世界旅行に行ってみる、空想旅行記です。行ってみたい国や場所は尽きませんが、実際に全ての場所に行くことは現実的でなく、様々な事情で行けない場所もあります。そんな一切の事情を無視して、空想で世界各地に飛び出してみたくなりました。
【まほろば】素晴らしい場所それは地球のはずが…|空想@世界一人旅
大和言葉「まほろば」=「麗しく素晴らしい場所」
日々の生活に疲れてくると、何処か素晴らしい場所に逃避したくなります。
とっておきの空想旅行に行ってみることにしました。
「まほろば」行きにしました。
いつものように異次元トンネルを抜けると、疲れて澱んでいた私の目にほんわかと明るい光が差し込んで来て視界が開け、近視と乱視と老眼で曇っていた視力が甦っているのが分かりました。
なんて綺麗で素晴らしいのだろう、見えない空気すらも輝いているのが感じられ、花は咲き誇り、ほのかに香ってくる花の香に嬉しくなって、自然と笑みがこぼれました。
日々のしがらみの中でもがいていることなどはすっかり忘れ去り、あるがままの自然の美しさに心身ともに委ねていると、穏やかな安らぎと平和しか存在していない涅槃の境地にいるようです。
そのような所では、そこに住む人々も自ずと同じような感性で生活しているようで、人の優しさや愛の美しさが前面に現れているようでした。
私なんかがいつもの世界で優しさや愛を意識して生きようと努めようとして、頬が引き攣ってしまうような歪さが微塵もないのが羨ましく思います。
環境って大事なんだと思うと同時に、環境のせいにしてはいけないと思うのでした。
いつもの悪い癖で物事を純粋に楽しめない部分が顔を出し、矛盾する事柄に対してせめぎ合いを始めたことで、ケチが付いたものですから現実の世界に戻ることにしました。
桜が咲き誇る様を見ると、やっぱり地球はそのままで完璧なんだろうと感じました。
空想旅行社からの帰り道、春うららの気候の良い中をぼんやりと歩いていると、満開の桜は至る所で咲き誇っているし、小鳥のさえずりや、よく見るとあちらこちらに大小様々な花が可憐に咲いていました。
ふわっと良い香りがしたかと思うと、「私に気が付いて」と言わんばかりに名前も知らない花が咲いているのです。
穏やかな日差しが心地よく、「まほろば」とは此処のことだったのではと思い、わざわざ空想旅行に行く必要は無かったのかもしれないとすら思いました。
地球はありのままで完璧なんだろうと漠然と感じ、あれこれとおかしくしているのは、やっぱり自分なんだなぁと思いました。
地球という世界はいつでも「まほろば」な場所を与えてくれているのに、それを「地獄」にしてしまっているのが人間自身なのかもしれないと、偉そうなことを考えてしまいました。
せめて自分の心からでも「まほろば」に移住させてあげよう、そんな気持ちになった、うららかな春の日でした。
HanaAkari