「忘れないようにしよう」と心に留めている「道」があります。
「ミッデルハルニスの並木道」という17世紀にオランダの画家メインデルト・ホッベマが描いた風景画です。
このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。
【道】道しるべ、道筋、道案内、人生の道の先には?|言葉の小槌22
【道】
まっ直ぐな道、曲がりくねった道、先の見えない道、回り道、寄り道、脇道、王道、人道、神道、道々道。
北海道で走ったようなどこまでも真っすぐでどんなに見通しの良い道でも先は見通せないですし、曲がりくねった道では当然先は分かりません。
人生と同じだなぁとつくづく思います。
よく人生を道に例えられることがありますが、そのような意味合いで私が「忘れないようにしよう」と心に留めている「道」があります。
「ミッデルハルニスの並木道」という17世紀にオランダの画家メインデルト・ホッベマが描いた風景画です。
おそらく絵を見るとどこかで目にしたことがある有名な絵だと思います。
絵の解説は置いておくとして、私が「ミッデルハルニスの並木道」を大切にしているエピソードについて書いてみたいと思います。
ちょうど「人生の道」が行き止まりになったような状況に、どのように頭で考えても八方塞がりのようにしか思えず、行き先が崖になっている道をその時が来るまでトボトボ歩いて行くしかないのか?ああ、虚しいなあ、と感じていた頃のことです。
なんか気晴らしにでもならないかな?と思い、以前から興味があった、徳島県鳴門市にある「大塚国際美術館」に行った時に「ミッデルハルニスの並木道」がありました。
ポカリスウェットでおなじみの大塚グループが建てた大塚国際美術館ですが、絵画は実物ではなくセラミックに絵を焼き付けた陶板画でのレプリカで、世界の名画を高いクオリティーで実物大で展示していて、斬新な試みと手軽に名画を贅沢に楽しむことができる、素晴らしい美術館だと思います。
立地場所も何かそそるものがあり「大鳴門橋」を「鳴門の渦潮」を横目に淡路島から徳島県にちょうど渡り切った半島の先に、爽やかに建っていて格好いいですし、最下部にある入り口から山頂へと山をくり抜いて作られている構造が秘密基地のようでたまりません。
ガイドさんが絵画巡りをしてくれるツアーガイドのサービスがありましたので、参加させてもらいました。
私はレオナルド・ダ・ヴィンチと後期印象派の画家が好きなので、モナ・リザや最後の晩餐、ゴッホ、ゴーギャン、スーラの点描画などは最高の御馳走でした。
その中でも「ミッデルハルニスの並木道」メインデルト・ホッベマ作の前に来た時のガイドさんの説明が忘れられません。
オランダのミッデルハルニスという場所にある、ひょろひょろと背の高いポプラ並木の田舎道が真っすぐ伸びている風景画です。
「この道はどの方向から見ても道が続いているように描かれています」
「どのような時でも道は見えるようにという思いが込められています」
「それでも道は続いていく」
その時、ガイドさんの説明がその時の私に言ってくれているよう思えて、感動と感謝の気持ちと頑張ってみようという思いになりました。
だから今でも忘れていません。
忘れないためにも自分の為のお土産に、絵を見たらその時のことを思い出せるように、「ミッデルハルニスの並木道」の陶板画を買いました。
今もすぐに目につくところに飾っています。

余談ですが、偶然にもそのガイドさんと大塚国際美術館から鳴門市方面に向かうバスの中で一緒になったので、直接素晴らしいガイドに対して感謝の言葉を伝えることが出来たのも幸いでした。
「行き止まりの道」はその後、予想もしなかった出来事が起こり、曲がりくねって先は見えないものの「続いている道」になったのも不思議です。
HanaAkari