「トロッコ」 芥川龍之介著 を読んで

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トロッコ 〈芥川龍之介〉作品を読んで
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国語の教科書にあった作品を改めて読んでみたら、物語の情景から自分の体験を思い出すことになりました。

国語の教科書にあった作品を改めて読んでみると、いかに憶えていないのかが分かります。

内容がまったく思い出せないものですから、初めて読む作品のようなもので新鮮でした。

トロッコのようなものがあれば、昔は子供にとって格好の遊び道具だったのが分かります。

トロッコ
トロッコ

今だと怪我をする危険性が指摘されて大事になるようなことも、昔は決して無視されていたわけではありませんが、結構おおらかに周囲の人々の自発的な注意喚起に任されていました。

かといって物語のように、子供たちが勝手に大人の目を盗んでトロッコで遊んでいたりすると、当然見つかれば怒られるわけです。

そういえば昔は全然見ず知らずの大人の人に怒られることが、普通だったことが思い起こされます。

私も小さな頃は近所の工事現場が休みの時は、勝手に入って遊んだり、近くにあった畑をスコップで掘り返して遊んでいたら、畑の持ち主の無茶苦茶怖いおじさんに見つかって怒鳴らり散らされ、スコップなどの遊び道具を置き去りにして逃げて帰ったことがありました。

遊び道具はおじさんが厳重に保管したので、直接謝りに行かなければ返してもらえなかったですし、またその時は非常におっかなかったものです。

確かに昔は全く知らない大人からマナーを注意されたり、叱られることが多くありました。

「トロッコ」の物語の中で子供たちが、トロッコを勝手に動かして遊んでいるのが見つかり怒られますが、そんなことは普通にあったことですが、一人の少年の良平はなかなかの強者で、一度怒られただけではトロッコ遊びを諦めたりはしませんでした。

トロッコ

今度は人の好さそうな若いトロッコ押しに声を掛け、一緒にトロッコを押してもいいかと投げかけます。

そして男たちと一緒にトロッコを押しながら、今までに行ったことのないところまでかなりの距離まで行くのですが、男たちに今日は泊まりだから、そろそろ帰りなさいと言われた良平を恐怖が襲います。

そりゃそうだろうと思います、これから日が暮れそうな時に一人で相当な道のりを帰らないといけないのですから。

そしてなんとか家に帰りついた良平は堰を切ったように大声で泣いてしまうのです。

大泣き

私はかなり小さな頃に近所の少し大きなお姉さんと空き地で遊んだ時のことを思い出しました。

以前は町中には大きな空き地が結構あって、秘密基地を作ったり、何の実か分からないですが赤紫色をしたブルーベリーのような雑草の実を食べてみたりして、子供たちにとっては絶好の遊び場所になっていました。

ひっつきむし、ねこじゃらし、ぺんぺん草、花の蜜を吸ったり、オシロイバナの花で落下傘を作ったり、空き地の植物は遊び道具でした。

ある日、夕方近くになりそろそろ帰らないとお母さんに怒られるという時間帯に差し掛かった頃に、空き地で子犬を見つけたのでした。

お姉さんは子犬の為に家を作ってあげないと可哀相だといって、子犬の為に家を作り始めたのですが、私は薄暗くなっていく空の方が気になって仕方がなかったのです。

早く帰らないとお母さんに叱られることばかりが気になっていましたが、お姉さんを無視して勝手に帰る勇気もなかったので、家作りが終わるまで一緒にいました。

家に帰った時はもう真っ暗で、心配した母は警察に連絡をしていたので大騒ぎになっていました。

「トロッコ」を読んでみたら、まさかこのような忘れていた記憶が出てくるとは思いもしませんでした。

物語の最後に良平が大人になってからも、時々ふとした拍子にトロッコを押して遠くまで行ってしまい、恐怖心と共に一人帰った時の情景が思い出されるとありましたが、なんとなくそんな感じに似ているのかなと思った次第です。

トロッコ列車

以前に読んだことのある作品を、改めて楽しむという遊びを見つけました。

昔に読んだことのある作品を、時間が経過して価値観や人生観にも以前とは違いがある今、再度読み直してみることが私の一つの楽しみです。

大半のものは内容は忘れてしまっていて、タイトル名と作者だけが記憶に残っている場合がほとんどですので、以前とは違う自分が新しい作品を読むような感じになることが楽しくて、私の遊び心に火を灯してくれました。

久しぶりに読み直してみると、忘れていたはずの内容が思い出されたり、その作品を読むに至った経緯なども思い出され懐かしさも堪能できます。

まさに一石二鳥のささやかな趣味を見つけた気持ちです。

また今では、著作権が消滅した作品が「青空文庫」という電子図書で無料で読むことが出来るので、大変ありがたいことです。

芥川龍之介
芥川龍之介

「青空文庫」とは

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。

「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。

著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。

日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。

様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。

実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。

〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。

良い発見をしました。

HanaAkari

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