言葉の小槌141 word is magic【迷惑】

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言葉の小槌③ 言葉の小槌〈101~150〉
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人に迷惑を掛けてはいけません。そう教えられて育ちましたし、そう心掛けています。

正直に申し上げると、空気を読むのが下手な私には日本人の常識は、時に苦痛にも感じる時があります。

私はインドを旅行していた時に、インド人から教えてもらった「迷惑」の対しての価値観で非常に驚いたことがありました。

このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。

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【迷惑】視点の違い、掛けないようにと掛けるもの|言葉の小槌141

人に迷惑を掛けてはいけません。

人の迷惑にならないようにしましょう。

ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

そう教えられて育ちましたし、そう心掛けています。

でも時にそういった心構えが裏目に出てしまう時もありませんか?気を回し過ぎてしまい、どうしていいのか分からないようになってしまったりします。

例えば電車の中ではお年寄りに席を譲るということが常識ではありますが、席を譲ろうとすると遠慮される場合があったりします。

そんな歳ではないということかもしれませんし、年寄り扱いするなということかもしれませんが、お年寄りの方にも迷惑は掛けられないという気持ちがありそうに思うのです。

譲る側のどうぞ席に就いて下さいという道徳観と、譲られる側の迷惑を掛けられないという気持ちが上手く嚙み合わずに空回りしてしまい、ばつが悪くなるような状態です。

相手のことを思いやる日本人らしい光景かもしれませんが、時にそういった常識が重荷になって、一体何が正解なんだろう?何が迷惑なのだろう?気を回したことが相手にとって迷惑だったんだなと感じた時の、脱力感や虚しさは日本人独特の感覚なのかもしれないと思うことがあります。

優先座席

正直に申し上げると、空気を読むのが下手な私には日本人の常識は、時に苦痛にも感じる時があります。

私はインドを旅行していた時に、インド人から教えてもらった「迷惑」の対しての価値観で非常に驚いたことがありました。

それは日本人が正しいとか、インド人が正しいといったことではなく、それまで考えたことは無かったけれども、そういった考え方もありだと私には納得できるものでした。

インド人の「迷惑」に対する考え方は日本人とは真逆のようでした。

私があるインド人から聞いた「迷惑」に対する考え方は、ある意味面白かったです。

インドでは人は「人に迷惑を掛ける」ということが前提で人々は生活しているようです。

ですから日本では迷惑行為だとして問題視される行為も、インドでは普通といった感じでした。

ですから慣れるまでは、このカオスはどういった感覚なのかと戸惑ったのは確かでした。

日本の感覚とはまるで違うのでびっくりしたのです。

満員の電車やバスの中で、車体が揺れた時に日本人は出来るだけしっかりと立って、他の人に迷惑が掛からないように、もたれかからないように努力すると思うのですが、インドでは平気でもたれかっかってきますし、倒れそうになれば私の服の袖を引っ張って倒れないようにもされました。

「人は迷惑を掛けるものでお互い様」だという感覚で暮らしている人々だから、当たり前のことなのです。

ただ何も知らない私は、初めの頃は「何なんだこいつは!」と思ったりしていました。

バスの中で座っていると乗車してきたインド人に、一言もなく膝の上に鞄をどんと置かれたこともありました。

インドではそういうものだったのです。

インド人

「人は迷惑を掛けるもの」そういった感覚で暮らすというのは、慣れてしまうと気楽でいい考え方だと思いました。

確かにどんなに相手のことを気遣っても、人間は完璧ではありませんし、完璧を相手に追求すると碌な結果にならないことも多いもので、何処まで行ってもお互い様なところはあります。

ただ何事も万事すべてOKとはならないものでした。

インドでは「人は騙すから注意するもの」というのも前提でした。

人は騙すものだから、騙されるということがあるということを常に踏まえて行動するようにとアドバイスされました。

インドには中国から亡命して来た多くのチベット人や、その子孫たちも多く居ましたが、インド人とは違って、見た目と同様に日本人の感覚に近いところもある人々でしたが、彼らからも「日本人はすぐに人を信用しすぎる」という意見を聞かされました。

まさに日本とは真逆でした。

映画館での大騒ぎや喫煙は楽しかったのですが…

もう四半世紀も前のことですから、今のインドの映画館事情は分かりませんが、当時は映画館の中で喫煙する人も多く、インド人の映画の楽しみ方は映画を見ながら、手を叩いたり、口笛を吹いたり、大声で歓声を挙げて全身で映画を楽しむというものでした。

日本の映画館マナーとは正反対の光景です。

それはそれで楽しいものでしたが、じっくりと映画を楽しみたい人には不向きでしょうし、当時は喫煙者だった私には映画を見ながら煙草を吸えるのは、悪い事ではなく嬉しかったことですが、今は喫煙をしないので、隣で煙草を吸う人がいたら不快に思うでしょう。

迷惑喫煙

「迷惑を掛けないように」を前提にするのと「迷惑は掛かるもの」を前提にするのと、どちらが良いのでしょうか?

上手にブレンド出来れば楽しそうですが…

例えば日本の映画館に喫煙可能のシアターを設けるとか、大騒ぎOKのシアターがあるとか、選択肢があれば面白いと思います。

喫煙可能シアターなんか意外と喜ばれそうですが…全館そうするのではなく、一部そういった劇場を設けるとか出来ないものでしょうかね?

喫煙者の為のサービスというよりも、価値観の広がりのサービスというか、なんか固定概念に縛られない楽しみ方のような…

HanaAkari

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