言葉の小槌83 word is magic【チベット高原】

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言葉の小槌 51~100
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「チベット高原」は地理的にも、民族的にも魅力ある場所だと思います。

「チベット高原」からはアジアの大河の多く始まっています。

このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。

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【チベット高原】大河の源流が集まるアジアの水源|言葉の小槌83

【チベット高原】

ユーラシア大陸の中央には、日本の国土の約6倍ほどの広さもある「チベット高原」が広がっています。

「インド洋」側から北上すると、インド、ネパール、ブータンの先には「ヒマラヤ山脈」が東西に伸びる形で、巨大な境界線を成していますが、その奥に広大な「チベット高原」があり、現在は「中国」の領内とされていますが、かつて秘境と呼ばれた地には「チベット民族」が「チベット仏教」と共に平和に暮らしていました。

「チベット高原」は地理的にも、民族的にも魅力ある場所だと思います。

太古の昔からインド亜大陸が、悠久の時を掛けてユーラシア大陸側に移動し、押し込むことで、迫り上がって出来たのが「ヒマラヤ山脈」ですが、今でも僅かずつ高くなっているといわれており、インドは年間5センチメートルほど北上しているそうです。

その地球の流動で現在の「ヒマラヤ山脈」「チベット高原」があります。

「チベット高原」の標高の平均が4500メートルで、「富士山」の頂上よりも高い場所が、日本の国土の約6倍も広がっているのですから、想像の域を超えています。

【チベット高原】

南北、約1200キロメートル。東西 、約2000キロメートル。

総面積、約250万平方キロメートル。

標高、平均4500メートル(3500~5500メートル) 。

大半の人々は1200メートル~3600メートル以下の場所で生活しています。(3600メートル以下は耕作が可能で、標高の高い場所はヤクなどの放牧が行われています。

気候は夏期は冷涼ですが、冬は長くて寒さが厳しいですが、日差しが強く、空気は乾燥しています。(ラサの7月の平均最高気温24度、11月~3月の平均最低気温-2~-7度、年間降水量は430mm)

地図ヒマラヤ

大河の源が始まる場所「チベット高原」

「チベット高原」からはアジアの大河の多く始まっています。

錚々たる河川の「起点」として、川が生まれるロマンがここから始まっているのですね。

川の流れと共に起こったといわれる文明や、暮らしと歴史、現在でも人々の生活には欠かせない、諸々全ての起点が「チベット高原」にあることを考えると、とても興味深いです。

私は川を見ると、時々「源流」まで行ってみたくなることがありますし、地図をスクロールさせながら川を遡って「源流」を探っていくのが面白かったりしますので、特に気になるのかもしれません。

川 上流

黄河

中央チベットから流れ出す「マチュ川」は、「黄河」となり、中国大陸と朝鮮半島に囲まれた「渤海」まで、全長約5464キロメートルを流れます。

上流部で「黄土」の土地を流れるため、川の水には土砂が多く流れ込み、水分中の土砂含有量が非常に多いため「黄河」の名の由来となりました。(河川で世界一の土砂含有量、年間16億トン)

「黄河」世界四大文明のひとつであり黄河文明の母ともいえますが、当時中国には他にも文明が起こっていたことが発見されていますので、黄河文明が唯一だったということはないようです。

いずれにせよ黄河流域の文明の発展に、大きく寄与したことは間違いないことだと思います。

長江(揚子江)

長江の上流は「金沙江」と呼ばれ、チベット語では「ディチュ川」の名で呼ばれます。

「ディチュ川」はチベット高原の中央部から始まって、「長江」として「東シナ海」に注ぐまでの距離は全長約6300キロメートル、アジア最長で、世界でも第3位の長さです。

チベット高原から流れ出た「長江」は北から南へ向かって流れ、西側を流れる「メコン川」「サルウィン川」とで三つの大河が並走する形で流れているのを、中国雲南省の麗江市、玉竜ナシ族自治県にて、南向きの流れを180度反転させて北側に流れを変えた後、中国大陸を東に向かいます。

三国志の「赤壁の戦い」の舞台ですし、何かと話題に上ることが多い、世界最大の水力発電量を誇る「三峡ダム」がある大河です。

チベット 川

メコン河

チベット高原中央部より流れ出る「ザチュ川」が、「母なる大河」として東南アジアの国々に数多の恩恵をもたらしている「メコン河」になります。

「チベット高原」を起点に中国雲南省を抜け、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムと経由して、南シナ海まで全長約4200キロメートルを流れます。

「メコン」はカンボジア、ベトナムでは、大きな川、偉大な川を意味します。

サルウィン河

「サルウィン河」はチベット語では「クルチュ川」として、中央チベットより発し、全長約2400キロメートルをミャンマーを縦断するようにして「アンダマン海」に出ます。

中国では「怒江」と呼ばれ、深い渓谷を流れることから、中国のグランドキャニオンと称されます。

エーヤワディー河

「エーヤワディー河」「チベット高原」を水源とはしませんが、「ヒマラヤ山脈」の南端よりミャンマー国内を縦断しアンダマン海まで、全長約2170キロメートルを流れ、ミャンマーの水運の要となっています。

川 チベット

ブラマプトラ河

チベット西側にある聖なる山「カイラス山」周辺から4つの大河が流れ出ています。

聖なる湖として崇められています「マナサロワール湖」より、東に進みヒマラヤ山脈を迂回するようにして、インドのアッサム州を通り、バングラデシュにて「ガンジス河」と合流して、インド洋のベンガル湾まで、全長約2900キロメートルを流れるのが、「ブラマプトラ河」です。

チベットでは「タチョー・カバブ」と呼ばれ、「馬の口」から流れ出る(馬泉河)という名があります。

ガンジス河

「カイラス山」周辺から流れ出る2つ目の河が、インド・ヒンドゥー教徒にとっての信仰の川「ガンジス河」です。

インドでは「ガンガー」と呼ばれ、川自体が女神「ガンガー」として崇められています。

全長約2525キロメートルを、インド北西部からヒマラヤ山脈の南側を東に向けて流れ、バングラデシュ内て「ブラマプトラ河」と合流した後、「ベンガル湾」に注ぎます。

下流域に広がるデルタ地帯は、世界最大のマングローブ群生林になっており、世界遺産にも登録されています。

チベットでは「マプチャ・カバブ」と呼ばれ、「孔雀の口」から流れ出る(孔雀河)から出た水が、「ガンゴードリー氷河」を通って大河を成すとされています。

ヒンドゥー教徒には「ガンゴードリー氷河」は聖なる「ガンガー」の源として崇められています。

チベット 川

サトレジ河

「カイラス山」近辺を源泉にする3つ目の川、「ランチェン・アバブ」、「象の口」より流れ出る(象泉河)が、インド北部を西側に向けて流れる「サトレジ河」の始まりです。

「サトレジ河」は西へ向かい全長約1450キロメートルの地点で、パキスタンにて同じように「カイラス山」周辺を出発地とする「インダス河」と合流します。

インダス河

最後の「カイラス山」周辺からの源流はチベットでは「センゲ・カバブ」と呼ばれ「獅子の口」より流れ出る(獅泉河)と呼ばれ、「インダス河」となりインド北西部に向けて流れ、ラダック地方を経由してパキスタン北部へ、ギルギット付近で南西に流れを変えて、パキスタンを斜めに縦断するようにして、「アラビア湾」に注ぎます。

全長約3180キロメートルです。

私は、インドのラダック地方が特にお気に入りで、夏に2回、冬1回訪れたのですが、夏場はインド北部のマナリーという場所から、ラダックまでバスで2日掛けて4~5千メートルの大きな峠を4つ越えて行ったのですが、その途中から時折見かけ、ラダック地域を流れていた川が「インダス河」だったことに気が付きました。

ちなみにラダックへは夏期のみ道路が開通するので、冬期は飛行機で行きました。

当時は、ただ川が流れているとしか思っていませんでしたし、バスのトイレ休憩の際に「インダス河」の石がゴロゴロとした河原で、用を足したりしたのだと分かると、なぜか少し嬉しくなりました。

川の水は非常に綺麗に澄んでいて、とても冷たかったです。

インダス文明の産みの親といわれる「インダス河」「チベット高原」が源になっていることを思うと、「チベット高原」はアジアの産みの親と言っても過言ではないようです。

「チベット高原」には湖も多いようです。

地図を見ると「チベット高原」には多くの湖が存在しています。

大きな湖もあり、まさにアジアの「水瓶」ですね。

また非常に透明度の高い澄んだ湖水が美しいのも、秘境といわれたチベットらしさを感じます。

チベット カイラス山
カイラス

その中でも「カイラス山」近郊にある「マーナサローワル湖」「ナム湖」「ヤムドク湖」の3つの湖は「チベット三大聖湖」と呼ばれ、仏教において一切の煩悩や穢れがない国土「浄土」のモデルとされています。

「マーナサローワル湖」「カイラス山」と同じで、仏教、ボン教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の聖地です。

「カイラス山」は仏教やヒンドゥー教の世界観では、世界の中心にそびえる聖山「須弥山(しゅみせん)」と同一視されることもあります。

「チベット高原」の魅力が尽きません。

HanaAkari

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