「ゼロの焦点」 松本清張著 を読んで

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ゼロの焦点〈読書感想文〉 〈松本清張〉作品を読んで
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石川県が舞台の日本海サスペンスでした。情緒が際立っていました。

昭和の情景が懐かしくもあり、今となっては新鮮にも感じます。

「ゼロの焦点」の舞台は石川県、金沢周辺でした。

北陸新幹線など無い時代、寝台列車で東京から金沢へ向かう時間の間が、サスペンス小説に絶妙な情緒を醸し出しているようでした。

思えば、寝台列車以外にも、日本海、雪国、古都金沢と、偏見ですがサスペンスとは切っても切れないような情景が揃っていましたから、なおさら湿っぽい切なさが引き立っていたようです。

雪国

荒れ狂う冷たい海、うす暗い曇天、降り積もった深い雪、オレンジ色の灯り、煙草の煙、酒、そういったしみじみとしたものと、解せない事件。

うら寂しい感じに登場人物の淋しさが骨身に沁みるのが伝わり、心模様が滲み出していまいた。

私はこの小説の始まり方が好きでした。

今ですと古風な印象もある、お見合い結婚の話から新婚となった夫婦に、突如訪れる謎。

トリックが売りの推理小説ではなく、人間の心理を濃密に絡み合わせていくようにした描写と展開に、引き込まれました。

戦後の時代背景も関係していました。

日本海

〈松本清張〉1992年8月4日82歳にて没

本名は〈マツモト キヨハル=松本清張〉。

〈マツモト セイチョウ=松本清張〉はペンネーム。

日本を代表する推理小説家として有名ですが、それ以外にも作品の幅は広い。

レジェンド作家。

HanaAkari

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