「すみれ島」 今西祐行著 を読んで
すみれの花が一面に咲いた小さな無人島、紫色が色んな想像を掻き立てます。短い物語なのに、色んな思いが溢れてくる素敵な作品でした。
「あるハンノキの話」 今西祐行著 を読んで
一本のハンノキが回想するような形で物語が語られています。ハンノキは原爆投下という一つの一行為によって生み出された、幾層もの「忘れることの出来ない痛み」を静かに見守っているようでした。
「ヒロシマの歌」 今西祐行著 を読んで
この物語は地獄と化した焼けただれたヒロシマの町の中で、出来ることは限られてはいても精一杯の救援活動が、小さな命を繋いだお話です。児童小説ですので文面に丁寧さと優しさがあり、筆者の優しい気心が表れているように感じました。
「一つの花」 今西祐行著 を読んで
本物の素晴らしい景色よりも先に、子供時分の国語の教科書にあった一つの物語のコスモスの情景が優先的に甦ってくるのが不思議です。改めて読んでみたら一輪のコスモスに込められた思いや背景が違って感じられました。