「顔」 松本清張著 を読んで

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顔〈読書感想文〉 〈松本清張〉作品を読んで
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記憶と思い込みに、潔い結末が唐突に訪れた短編小説でした。

記憶、思い込みの心理に焦点を当てた短編小説でした。

不安、狂気、安堵、という人間の心の移り変わりがあり、唐突にその瞬間がやってくる。

二人の人物の視点から最終的に全体像が浮かび上がる手法でしたが、それぞれの人物の目線や心模様から情景が見えてくるので、その人物になったような錯覚を起こします。

その人物と同じ目線で周囲を見ていくような感じでした。

ですから、小説の中の世界のことだと引いた位置から眺めることにならなくて、登場人物の感情の動きがまるで自分の心の動きのようで変な感覚になりました。

いつしか自分が登場人物になって、犯罪者の心理をなぞっている。

しかし、物語の結末が架空の世界と読み手とを一刀両断にするように唐突に終わるので、一気に目が覚めるのです。

くすぶった未練を一切残さない終わりは、潔さがありました。

人物 影

〈松本清張〉1992年8月4日82歳にて没

本名は〈マツモト キヨハル=松本清張〉。

〈マツモト セイチョウ=松本清張〉はペンネーム。

日本を代表する推理小説家として有名ですが、それ以外にも作品の幅は広い。

レジェンド作家。

HanaAkari

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