旅の玉手箱【昆明】〈中国編-2〉

このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国～1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか？という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。

【昆明】雲南省の省都から鉄道でベトナムへ｜旅の玉手箱　中国編-2

【昆明】

上海の空港から朝早い国内線飛行機に乗り、「昆明」に向かいました。

当初の予定では「昆明」の空港で友人と落ち合う段取りでしたが、台風の影響で友人とは連絡は取れないまま二日遅れでの「昆明」行きでしたので、「果たして友人は空港にいるのだろうか？」という不安と、「もしもの場合はどうしようか？」と少しは考えていました。

手持ちの中国のお金が残り少なかったので、まずは両替をする必要があるという事くらいは頭にありました。

到着した「昆明」の空港で友人の姿を見つけた時には、どれほど安心したか分かりません。

後程友人から言われたことは、飛行機から降りてきた私の不安そうな顔は、それこそ絵に描いたような不安顔だったそうです。

当然です。

到着予定日に私が着かなかったので、友人は私の実家に電話して遅延の情報は知っていたようで助かりました。

その夜の夜行列車で「ベトナム」へ向かうとのことで、空港からの足で列車の切符を買いに行き、一旦友人が宿泊していた安宿に戻った時には、ずっとまともに食事をしていなかったので私は腹ペコで、とにかく「何か食べたい、何か食べさせて欲しい」とせがみました。

安食堂のようなところで、麺の入ったスープとトマトの入った卵オムレツを注文してもらったのは憶えていますが、味や「昆明」の街並みは全く思い出せません。

食事時に友人が「雲南省」の素晴らしさについて、少数民族が多いので他には無い独特な魅力的がある、どこそこが良かったとか、話していたように思うのですが、それもほとんど聞いている余裕は「まだ」無かったのです。

トマトオムレツ以外で「昆明」で憶えているのは安宿の共同トイレを使った時に、あの頃の中国の田舎のトイレには間仕切りが無く、大をするところは溝があるだけで、もし他に使用する人がいれば、お互い顔を向き合わせて「うんこ座り」で用を足すという、噂に聞いていた伝説のトイレを見られたことぐらいです。

その夜の夜行列車で「ベトナム」に向かいましたので、私の旅行が本格的に始まるのは「ベトナム」からになります。

中国では個人旅行の洗礼を軽く受けさせてもらいました。

そして中国人の親切に助けられたことが、私にとっての宝物です。

HanaAkari