旅の玉手箱【Dil to Pagal Hai|心がバカです】〈インド映画編-5〉

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旅の玉手箱〈インド映画編〉 旅の玉手箱〈インド映画編〉
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私がインドを旅行中にインドの映画館で見たインド映画たち。インド映画といっても地域によって様々ですが、私が見たインド映画は〈ヒンディー映画〉と呼ばれるもので、いわゆる〈ボリウッド映画〉です。不思議なのは日本で大ヒットするインド映画は〈ボリウッド映画〉ではなく、南インドの映画のようです。《RRR》や《バーフバリ》は〈トリウッド映画〉といわれる〈テルグ語〉の映画ですし、日本に初めてインド映画の存在を知らしめた《ムトゥ踊るマハラジャ》は〈タミル映画〉で〈タミル語〉の映画でした。
ボリウッド
1998年6月頃~1999年11月頃と2000年11月頃~2000年4月頃に、インドにいた時にインドの映画館で見た映画を思い出してみようと思います。一昔前のインド映画になりますが、インド映画の魅力を知り、思いっきりハマって言葉も分からないのに楽しみまくりました。私はインド映画が大好きになりましたが、日本人の間ではインド映画の好き嫌いは極端に二つに割れるようでした。これはインドを旅する旅行者がインドに魅了される人と、二度と行きたくないと思う人とに、極端に分かれるのに似ているのかもしれません。

このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。

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【Dil to Pagal Hai】心がバカです|旅の玉手箱 インド映画編-5

Dil to Pagal Hai】

〈Dil to Pagal Hai〉は「心が狂っている」という意味なのですが、インド人からは「心がバカです」と教えらてもらった記憶があります。

遠からずですし、適当なところがインドらしくて感心してしまいます。

私はインド滞在中にはこの映画の上映は終了していましたが、ムンバイの映画館で上映している所を見つけ、「人気のあったボリウッド映画にハズレはなし」というこれまでの経験から、「よし、見つけた!」と喜んだものです。

インドの映画館では、流行った映画は超ロングランやリバイバルはよくあることでしたし、そのような映画は当然のように面白かったです。

〈Dil to Pagal Hai〉はタイムリーで見ることはできませんでしたが、この映画の音楽は至る所でかかっていたので、よく耳にしていました。

軽快なノリの良い音楽で聴きやすいです。

特に口笛のパートから入るノリの良い「ARE RE ARE」という歌は、耳によく残るサウンドで好きです。

インドで知り合った日本人バックパッカーのSさんが、日本で一度私の所に遊びに来た際に、〈Dil to Pagal Hai〉のサウンドトラックCDを流したのですが、「ARE RE ARE」の口笛パートが聞こえ出した瞬間に「ああっ!」「これ、これ、この音楽!」と、やけにはしゃぎ始めました。

Sさんは私の知り合ったバックパッカーの中でも群を抜いて変わった人でした。

どうもインドでの旅の記憶が音楽と共に甦ったみたいで、砂漠地帯にて町から離れて歩き回っていたら、方向を見失って彷徨った経験があったらしく、その時にこの音に救われたのだそうです。

道を見失い疲労もピークに達していた頃に、遠くから〈Dil to Pagal Hai〉の口笛の音が聞こえてきたことで、町の方角が分かって生きて戻れたそうです。

〈Dil to Pagal Hai〉の音楽が道しるべとなって助かったので、本当に心に沁みたようで、思い入れが強いと言っていました。

映画の内容も活気があって面白く、もちろん感動もあって、でも途中には恋愛の三角関係、嫉妬がありと、なかなかの盛り上がりがありました。

またこの映画のダンスシーンには若さとパワフルさがあった印象です。

ダンス シルエット

【Dil to Pagal Hai】出演者について

インドの俳優事情は人気の男性俳優の活躍する期間は長く、女優は短い時期に華々しく咲き、次から次に新しい人が出てくるという印象がありました。

女優の入れ替わりは多いようですが、出演している時期には連続して出演しているようで、一定期間は同じ女優の出演する映画を次から次に見かけました。

世界一の映画製作数を誇るインドらしい一面だと思います。

ボリウッド映画の構成はヒーローとヒロインが必ずいて、準主役がその脇を固めるスタイルが王道のようでした。

〈シャー・ルク・カーン〉

男性主役は、〈シャー・ルク・カーン〉。

人気絶頂の超スターでした。

男前ですが、超二枚目という感じではないけれども、魅力がオーラとなって滲み出ているような俳優だと思います。

〈マードゥリー・ディークシト〉

女性主役、〈マードゥリー・ディークシト〉。

当時のインド人の多くが、トップ女優だと絶賛していました。

私は〈Dil to Pagal Hai〉以外の役柄は知りませんが、この映画で受けた印象は、とても上品で綺麗な女性でした。

〈カリシマ・カプール〉森口博子似

準主役〈カリシマ・カプール〉。

映画一家〈カプール家〉に生まれたサラブレット女優。

〈Dil to Pagal Hai〉ではヒロインの〈マードゥリー・ディークシト〉より若いのもあり、ダンスのキレが光っていました。

この映画では準主役でしたが、これより数年後には「カリシマ時代」が到来した時期があったと思います。

私が二回目にインドに行った際には、〈カリシマ・カプール〉の映画のポスターだらけだったので、あの頃、〈カリシマ・カプール〉はボリウッド映画のヒロイン役を席巻していたのでしょう。

そして妹の〈カリーナ・カプール〉にその座をバトンタッチしたようです。

私個人の意見ですが、〈カリシマ・カプール〉の顔立ちが、日本の〈森口博子〉の顔立ちとよく似ていると思います。

インド人にしては顔の彫の深さが浅いように見受けられ、インドで〈カリシマ・カプール〉が出演する映画のポスターを見る度に〈森口博子〉に似てるなぁと感じていました。

あの頃のインドの映画館について

ボリウッド ポスター

インドの映画館はとにかく楽しい映画鑑賞ができました。

今のインドの映画館事情は分かりませんが、当時は日本の映画鑑賞マナーとは正反対の私からすれば型破りな映画鑑賞が、とても楽しかったです。

ちょっとしたラブシーンでは口笛を鳴らして喜ぶ人や、歓声をあげる人、手を叩いて感情を露わにする人、静寂とは無縁の映画鑑賞でした。

インド人の映画鑑賞は、とにかく思いを口に出したり、騒いだり、観客一体となって盛り上がっていました。

喫煙する人もいるし、まあ、日本だと摘まみ出される要素満載の楽しみ方がインド流で、無茶苦茶面白かったです。

映画の上映時間が3時間ほどありましたので、途中で休憩時間が10分ほどあったのも助かりました。

インターバルという画面が出て一旦休憩になるのですが、インターバルの前は必ず盛り上がるようなシーンになり、その余韻を持ちながらみんなトイレに行っては、口々に感想を述べあったりしているようでした。

私はあのインドの映画館が大好きでした。

勝手ながらいつまでもあのようなインドらしい風景は残って欲しいと思います。

HanaAkari

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