宇宙を彷徨う孤高な女〈クイーンエメラルダス〉の美学がありました。
昭和の時代に大宇宙を駆け巡った松本零士氏の作品には、自由と冒険に対する彼自身の哲学が描かれているように思います。
〈クイーンエメラルダス〉のことはよく知らなかったのですが、銀河鉄道999の映画に〈キャプテンハーロック〉と共に登場するので気になっていました。
おそらくこの二人に宇宙海賊は、松本零士氏のお気に入りなんだと思います。
孤高に生きる様に魅力があり、達観した感がありながらどこか寂し気な気もするのです。
ただ〈エメラルダス〉は人間らしい感情を完全に受け止めつつも、それによって振舞わされることなく自分自身を貫いているようでした。
「志をたてて故郷を出た者には、何度か乗り越えなければならない垣根がある。乗り越えるごとに体にも心にも傷跡がふえてゆくのだ」彼女の言葉です。
「私はエメラルダス…命の火が燃え尽きるまで宇宙を彷徨う自由な女」
作品中に登場した人物が「鶏口となるも牛後となるなかれ」と、父から教わった格言を胸に意地を貫いていましたが、自分自身の「一国一城の主になれ」という強い思いが伝わってくるようでした。
「鶏口牛後」は「寄らば大樹の陰」と対になる格言ですが、どちらが正解は分かりません。
ですが、自分自身を治める「一国一城の主」として、自分で責任を背負って進んで行くしかないのだと思いました。
〈エメラルダス〉のような生き方は憧れますが、その重圧に耐えられるかは別問題かもしれません。
自由ほど責任が重いように感じます。
HanaAkari
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漫画「クイーンエメラルダス」は、全2巻です。
全2巻で完結する作品ですが、その中に〈エメラルダス〉のエッセンスが詰め込まれているようでした。
存分に〈エメラルダス〉の美学を堪能出来ました。
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