このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ガネーシャ】象頭ぽっちゃり布袋腹|旅の玉手箱 インドの神様編-23
【ガネーシャ】
〈ガネーシャ〉神は、愛嬌たっぷり、お茶面な容姿でインドでも大人気の神でした。
商売繁盛の神ですから、お店の中に肖像画が飾られているのをよく目にしました。
学問の神でもあります。
〈ガネーシャ〉神は茶目っ気のある象の頭部にぽっちゃり布袋腹が可愛らしいのです。
天真爛漫な幼児を連想させます。
しかし、〈ガネーシャ〉の両親は破壊神〈シヴァ〉と妻〈パールヴァティー〉ですから、その見た目とは違って非常に力のある神でもあります。
彼の乗り物は鼠なのですが、それは退治した悪魔を鼠に変えてしまい乗り物にしているくらいです。
力はあるけれども無邪気な遊び心が伝わってくるエピソードです。

なぜ〈ガネーシャ〉神の頭が象なのか?これには〈シヴァ〉一家の奇天烈な家族劇がありました。
従者を多く従えている夫〈シヴァ〉を羨ましく思った〈パールヴァティー〉は自分にも崇拝者が欲しいと考えます。
その思いから彼女は夫が留守の間に自分の垢で人形を作り、命を吹き込むという秘術を行いました。
そうして息子〈ガネーシャ〉が誕生します。
〈パールヴァティー〉は入浴する際に、息子〈ガネーシャ〉を見張りに立たせ、入浴している間は誰も家の中に入れないように伝えました。
そこに〈シヴァ〉が帰宅するのですが、〈ガネーシャ〉は母の言いつけを守り、〈シヴァ〉の前に立ち塞がりました。
お互い初対面ですから、一向に話がまとまらず怒った〈シヴァ〉は、見知らぬ男〈ガネーシャ〉の首を刎ねてしまいます。
それを知った〈パールヴァティー〉は、落胆して嘆くばかりです。
それを気の毒に思った〈シヴァ〉は、ちょうど通り掛かった象の首を斬り落とし、〈ガネーシャ〉の首に付けて生き返らせました。
奇想天外な〈シヴァ〉一家です。

〈ガネーシャ〉は日本では〈歓喜天〉になりました。

仏教を通して日本までやってきた〈ガネーシャ〉は、仏教の守護神〈歓喜天(かんぎてん)〉となりました。
〈大聖歓喜天〉=〈聖天さま〉の名で知られています。
インドの時と役職は少し変わりましたが、象の頭に人間の体という姿は健在だそうです。
HanaAkari