このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【バーフバリ】ジャイナ教の覚者|旅の玉手箱 インドの神様編-7
【バーフバリ】
南インド〈マイソール〉の北に〈シュラバナベラゴラ〉という、田舎町がありました。
ジャイナ教の聖地とされる場所ですが、巨大な岩山の山頂にジャイナ教の寺院があり、そこには高さ約17メートルある巨大な石像も立っています。
〈バーフバリ像〉です。
ジャイナ教の伝説において〈バーフバリ〉は、宗派によっては現在の時間軸で一番最初に解脱した人物と考えられています。
ジャイナ教の開祖は〈マハーヴィーラ〉ですが、これまでの宇宙的時間(劫)において24人の救済者(ティールタンカラ)が出現したとされ、その最後の一人が〈マハーヴィーラ〉といわれます。
〈バーフバリ〉は一番初めのティールタンカラ〈リシャパ〉の子と伝えられ、名は〈ゴンマテーシュワラ〉ですが、異名として〈バーフバリ〉=〈強い腕を持つもの〉と呼ばれます。
また一年間ヨガの修行で微動だにしなかったことで、〈バーフバリ〉の体には蔦が巻き付き、足元には蟻塚ができたという伝説があり、〈バーフバリ像〉はその姿を表現しています。
裸体姿なのは、ジャイナ教の中でも特に厳格な戒律を美徳とする、「空衣派〈ディガンバラ〉」に繋がっているように、「無所有」を一つの大切な教えとしていることに由来します。
伝説では、父王の〈リシャパ〉が出家した後に、長男の〈パラタ〉が財産を独り占めしようとした為、弟の〈バーフバリ〉との間で争いが起き、決闘の末〈バーフバリ〉が勝利します。
しかし、これらの経験が〈バーフバリ〉を出家へと導くことのなるのでした。
〈ジャイナ教〉とは…
開祖〈マハーヴィーラ―〉は、仏教の開祖〈ゴータマ・シッタールダ〉と同世代の人です。
仏教は世界に広がりましたが、ジャイナ教はインド国内に留まるようにして現代まで受け継がれています。
戒律が厳格なので、多くの人には受け入れ難かったのかもしれません。
敬虔な信者は禁欲、苦行、不殺生を重んじます。
大きく二つの流派があり、「空衣派」と「白衣派」に分かれ、「空衣派」は無所有の教えにより、裸体姿が美徳とされるようですが、実際に見掛けたことはありませんでした。
厳格なベジタリアンであり、野菜でも収穫すると植物の命を絶つ(根を絶つ)ことになるということで、「根菜類」は食さないようです。
知り合いのジャイナ教徒のインド人は、「根菜」は収穫する際に知らず知らずのうちに、地中にいる虫などの命を奪う可能性があるからと言っていました。
虫に関しても、飛んでいる小さな虫が誤って口に入って殺生しないように、いつもマスクを装着して過ごす方もいるようです。
ジャイナ教徒は勤勉で、経済的にも裕福な人が多いようです。
インド国内には450万人程の信仰者がいます。(インド全体の人口の約0.4%ほど)
HanaAkari