このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ヤマ】冥界の主、死を司る神|旅の玉手箱 インドの神様編-25
【ヤマ】
冥界の主〈ヤマ〉は「死」を司っている神です。
インド神話では太陽神〈ヴィヴァスヴァット〉の子供で、人類の始祖でした。
〈ヤマ〉は人類で初めて「死」を経験した者として、冥界の主となったそうです。
双子の妹に〈ヤミー〉がいます。
〈ヤミー〉は〈ヤムナー川〉としてガンジス川と並んで、聖なる川としてインドでは崇められています。
ヒマラヤ山脈から流れ出た〈ヤムナー川〉はインドの首都〈デリー〉、クリシュナ神で有名な聖地〈マトゥラー〉、タージ・マハルのある〈アーグラー〉を流れ、〈アラハバード〉で、〈ガンジス川〉と合流します。
古くは〈ヤマ〉のいる死の国は、死者の楽園とされていましたが、いつしか死者の生前での行いを審判される仕組みになったようです。
唯一絶対の裁判長〈ヤマ〉により人の魂は「運命の書」の記述に基づいて、裁きを申し渡されるのです。

ですから冥界に着いた死者の魂は初めに、〈マヤ〉の愛犬、二匹の犬〈サーラメーヤ〉によって裁きの場へと駆り立てられます。
〈サーラメーヤ〉は斑模様の体に四つの目を持つ、見た目がおぞましい魔犬です。
インドのノラ犬のシャープな体系や愛想の悪さ、短い毛で皮膚病のような肌色だけでも、恐怖を感じたのですが、さらに目が四つもある地獄の番犬のような二匹に追い立てられるのですから、恐ろしいとしか言いようがありません。
インド神話の可笑しなところは、「死」の神〈ヤマ〉の規則を無視した「死」を逃れる裏技も存在することです。
死に瀕した際に〈ヴィシュヌ〉〈シヴァ〉〈ブラフマー〉の三大神の誰かの名を讃えることで、それぞれの神の誇りと威信により〈マヤ〉は屈伏させられてしまい、「死」から逃れることができるのだそうです。

〈ヤマ〉は仏教では、「閻魔大王」になりました。
〈ヤマ〉は日本では、「閻魔大王」の名で知られています。
「運命の書」は恐るべき「閻魔帳」になりました。

インド神話では「死」を逃れる為に、権力によって〈ヤマ〉を屈伏させるようなシーンがありますが、日本ではどのような手段があるのでしょうか?
「閻魔帳」に密かにアクセスして改ざんするということも可能になるような気がします。
「閻魔帳」のセキュリティーは万全であることを願います。
HanaAkari