「売り手に正当な利益」「買い手は満足」「社会に貢献」の三つの「良し」が揃って良い商売と成す、江戸時代に活躍した近江商人の商売の心得です。
「アフリカの人道危機を解決することを目的とした取り組みだということに感動したことについてです」
このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。
【三方良し】風の時代に近江商人精神で良し良し良し|言葉の小槌23
【三方よし】
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」
「売り手に正当な利益」「買い手は満足」「社会に貢献」の三つの「良し」が揃って良い商売と成す、江戸時代に活躍した近江商人の商売の心得です。
この三方が上手く回り、その好循環が繁栄をもたらしていくといった心は素敵ですが、最近は売り手は安売り競争に苦しみ、買い手はお金を出せば何を言ってもいいと思っているのでしょうか?クレーム文化旺盛で、社会貢献という言葉は知ってはいても実際はどうするの?といった感じなのではないでしょうか?
何か歯車が嚙み合ってないというか、そんな風に感じていても自分に何ができるのだろうか?といった辺りで立ち往生しているだけで情けないところです。
そんな私ですが、これこそ「三方よし」の精神に根差した素晴らしい活動だと思うことを知りましたので、紹介も兼ねて文章にしてみようと思いました。
サハラ砂漠の緑化というフレーズに目が留まり、とても便利なYouTubeでいくつか見てみると、ただの緑化ではないことに驚いたこと、それがアフリカの人道危機を解決することを目的とした取り組みだということに感動したことについてです。
京都大学の大山修一先生が、アフリカのニジェールで都市問題になっているゴミと家畜の糞だけを使って、奇天烈な発想で砂漠の緑化に成功しているのですが、それだけでなく環境問題の改善や農耕民と牧畜民の争いの原因の解決にもなるというのだから、素晴らしいの一言です。
フェンスで囲った荒廃地に都市で問題になっているゴミを持ってきて、土にそのまま混ぜる。(ゴミ処理になる) → 雨季になるとゴミが餌になり自然にシロアリが繁殖することで、土が柔らかくなる。(荒れた土地では土は固くて植物が育たない) → ゴミの中にあった植物の種子が自然に芽吹く。(有機ゴミが肥料になり、ビニール等も重要な役割を果たす) → 育った植物が家畜のエサになる。(さらに家畜の糞が土に還り肥料になる) → 家畜がフェンス内にいることで他の畑の農作物を食べてしまうことがなくなる。(農耕民と牧畜民の争いごとの原因が解決して争いごとの防止になる) → 年を追うごとに緑化が進む。→ 人々の収入も増加して生活が豊かになっていく。
凄い好循環に拍手です。
それもゴミから始まって行くのですから、ゴミからスタートする「わらしべ長者」のようでたまりません。
こういった事を「三方よし」というのではないのでしょうか?
①都市部のゴミによる環境衛生の改善に繋がるよし。
②シロアリ(自然)との共存による土壌改良がコスト零のよし。
③植物の種子もコストゼロのよし、何が生えてくるのか?ワクワクを感じられるよし。
④家畜のエサになるよし、農作物に対する食害が無くなるよし。
⑤人々の争いごとが減り平和になるよし。
⑥人々の生活が豊かになっていくよし。
まだまだ大なり小なりの「よし」が織りなして、「よし」が「よし」を次々に生んでいきそうに思います。
これからこのような知恵と愛のある取り組みが、様々なことに応用していけたら未来は明るくしかならないでしょうし、ゴミから宝が生まれるのだから、本当は何でも良くできるのではないかと思えます。
HanaAkari