世界観が可愛らしいので、ほのぼのとした気持ちになりました。
宮沢賢治氏の世界観にはいつも癒されます。
心が疲弊していても、ふとした表現に和まされて平和な気持ちになります。
それは決して特効薬のように劇的な作用があるのではなく、あったかいレモネードをしみじみと堪能しながら、身も心もほぐれて行くようなそんな感じです。
寒い冬に梅酒のお湯割りを飲んだ時のような、鼻からは梅のほのかな香りが優しくて、喉から胃へ向かって温かいものが流れるのが心地いい、そんな感じです。
そして独特の文章表現と世界観に、いつしか酔いしれているのです。
自然の世界を傲慢な人間の視点から見ないで、動植物の視点から表現するスタイルが多く見受けられる宮沢賢治氏の作品ですが、この「ありときのこ」では、蟻の目線から楽しませてくれました。

ありんこの世界でも子供は元気で笑顔いっぱい、大人の兵隊蟻は律儀で糞真面目、それが可笑しいのでした。
しかし、あくどい心持ちなどは一切ありませんから、ありんこ達が本当に可愛らしかったです。
無料の電子図書館「青空文庫」について

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。
「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。
著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。
日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。
様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。
実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。
〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。
良い発見をしました。
HanaAkari