「映画ショーシャンクの空に」の原作/「刑務所のリタ・ヘイワース」 スティーブン・キング著 を読んで

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ショーシャンクの空に 〈スティーブン・キング〉作品を読んで
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「希望」の名作映画《ショーシャンクの空に》の原作は、感動と心洗われる文章表現が際立っていました。

何度も見たくなる名作映画「ショーシャンクの空に」の原作は、ホラー小説の巨匠として有名なスティーブン・キング氏の「刑務所のリタ・ヘイワース」という小説です。

「それぞれの季節/Different Seasons」という、中編小説を春夏秋冬の四編で構成した作品集の一つで、「春」にあたる作品です。

日本では「ゴールデンボーイ」のタイトルで春夏編として、新潮文庫から発刊されています。

春「刑務所のリタ・ヘイワース」、夏「ゴールデンボーイ」、秋「スタンド・バイ・ミー」、冬「マンハッタンの奇譚クラブ」の四作品になります。

秋冬編はタイトル「スタンド・バイ・ミー」で、同じく新潮文庫で読むことができます。

壁の外の春

「刑務所のリタ・ヘイワース」を読んで

終始レッドという囚人の目からの一人称で、話は描かれています。

レッドの手記という形で、アンディー・デュフレーンという無実の罪で、ショーシャンク刑務所に服役することになった男との、塀の中での友情や関係性が綴られていきます。

レッドの表現する言葉は、単刀直入で汚い言葉が多いのですが、その言葉の裏側にある洞察力と、自分の心に嘘を付かないレッドの気持ちが素直に表れていて、非常に好感が持てます。

アンディーが刑務所にやってきた当初は、あまりにも周囲の人達と毛色が違うため、いけ好かない奴だと噂されていました。

刑務所内で囚人達の間で裏の調達屋をやっているレッドの所に、初めてアンディーがやって来た時のレッドの考え方は、シブいと思いました。

周囲がどう言っていても、「自分の目でその男を判断できるなら、噂に耳をかす必要はない」こんなレッドだったから、冤罪で終身刑になり刑務所に入れられていても、取り乱すことはなく冷静沈着に、自分を捨てることのなかったアンディーと、意気投合することができたのでしょう。

……アンディーという男に感心した。あんなに悩みを抱えているのに、やつは自分の生き方をそのまま通している。そうしないやつ、できないやつはゴマンといるし、しかも、刑務所の中でけだとはかぎらない……

刑務所

刑務所に入った頃は、洗濯係としてランドリー部署に配属され刑務所内の労働をしていたアンディーは、長い年月の間に元銀行家という才能を刑務官たちに買われ図書係となるのですが、それに対してのレッドの意見は鋭くて面白かったです。

……やつらはアンディーをランドリーからひっぱり出して図書室に据えたが、べつの見方をするなら、やつらはアンディーをランドリーから引き抜いたわけじゃない。汚れたシーツを選択させる代わりに、汚れた金を洗濯させただけだ。

アンディーの言葉も面白かったです。

「私がここでやっていることは、シャバでやっていたここと大差がない。これはかなり皮肉な格言だがね……個人や会社が必要とする専門的な利殖の助言は、その個人または会社がどれだけ大勢の人間を搾取しているかに比例して増加する……」

終身刑で刑務所に入っていた、アンディーレッドが娑婆で再会を果たすことができるとは想像も付かないのに、この物語は「希望」という余韻を私に残してくれます。

ストレートな表現と皮肉、時には汚い言葉が飛び交う中に、その根底には「希望」という他には代えることのできない大切なものが輝いています。

青空

映画「ショーシャンクの空に」を見て

私の一番好きな映画です。

最後には必ず温かいものが込み上げてきます。

何度も見ては勇気を貰っていますし、特に「希望」を忘れ掛けた時には、自分を見つめ直すきっかけにもなります。

激しい感動の波で勢いづくというものではなく、じんわりと心が温まって、穏やかな気持ちになるような映画です。

原作の「刑務所のリタ・ヘイワース」からは脚色した部分も多くありますが、比べてみても映画は映画として、完璧にまとめ上がっているように感じます。

映画の中に流れるBGMも絶妙な選択のようで、映画全体としてのハーモニーに魅了されます。

主役の一人、モーガン・フリーマンを演じるレッドのナレーションが時々入るのですが、これが堪らなくいいんです。

また、私は洋画を吹き替え版で見ることは少なく、大抵はその俳優の素の声が聞きたいので、字幕版で見ますが、この作品に限っては字幕と吹き替えで甲乙はつけがたいです。

吹き替えのハマり具合も絶妙でお薦めです。

この映画は「希望は永遠に」ということを感じさせてもらえます。

そろそろ終活を考えるような私でも、そんなことよりも建設的な「希望」に現実的に取り組みたい気持ちになりますし、現に消えかけても消えずにいるのはこの映画のお陰かもしれません。

希望の道

人の心っていうのは決して石でできているわけではないんだ。

それには、誰も、絶対に、手を触れることも、奪うこともできないものがある。

何のことだ。

希望!

要するにどっちを選ぶかだ。

頑張って生きるか、頑張って死ぬかだ。

更生?

そんなのはただの言葉にすぎない…

本当のことを言うとどっちでもいいんだ。

要するに俺はアンディーに会いたかった…

HanaAkari

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