「ニュートラル」な物の考え方をブタが教えてくれます。
ちまたには、「ありのままに生きる」とか「固定概念に囚われない」といった言葉は溢れていますが、どれだけ聞いたり目にしても、すでにありきたりの標語を目にするくらいな感じになっているような気がします。
昔、交通安全の標語に「狭い日本そんなに急いで何処行くの?」という車のスピード違反を注意喚起するものがありましたが、上手く出来ているなぁ~と感心して終わる程度で、逆に「赤信号みんなで渡れば怖くない」といったような名言も流行しました。
それらと同じように「ありのままに生きる」という言葉も日常にありふれていると思います。
ただ、なかなかそうできないから悩んだりしますし、板挟みにあって苦しんだりするものです。
「ありのままに生きる」という言葉の意味すらよく分からず、自分勝手に振舞っても良いといった風に誤解されたりもするでしょう。
「ブとタのあいだ」はまさに「ありのままに生きる」ということをテーマにした漫画だと思います。
どう解釈するかはそれぞれですが、知っておいて損はないような内容を、四コマ漫画でストンと心に落としてくれるところが素晴らしいと思いました。
ヒントですね。
作者ご本人が語っているように、完全に心の悩みや辛さを解消するには至らないけれども、少しは軽くなるのに参考になれば幸いなのだそうです。
一つのきっかけになって、堂々巡りしている思考から抜け出せたら、違った景色が見えてくるかも…そんな感じが伝わりました。
安直にいうと仏教的な考え方を、四コマ漫画でブタのキャラクターが教えてくれる、諭してくれるそんな感じです。
人は思考の癖で、物事を分けて考える傾向があるものですから、そこに問題が発生するのではないでしょうか?それは「ブ」でも「タ」でもないものが「ブとタのあいだ」にありませんか?そうブタが語ってくれました。
面白い視点だと思いました。
「べき」という小話が、自分の体験と一致するものでした。
「ナニナニすべき」の「べき」についてのお話がありました。
私が小学生だった時に、なぜかやる気が出なくて「学校に行きたくない」と母親に伝えると、決まって「学校は行くべきところだ」「子供の仕事は勉強で、学校はそのためにいくべきだ」と言われたものです。
私はひねくれ者でしたから、徹底的に反抗し母を困らせたのですが、もしかしたら「べき」という言葉に子供ながらに強い嫌悪感を感じていたのかもしれません。
そんな私が大人になってからはその「べき」を自分に課して、悶えているのだから笑ってしまいます。
HanaAkari