このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【イライチ】女王カルダモンのインドの名|旅の玉手箱 食べ物編-29
【イライチ】
インドでは至る所で〈チャイ〉を飲めましたが、こだわって作っていると思われるチャイ屋のものは格別に美味しかったです。
仏教聖地である〈サールナート〉に長く滞在している時には、簡素な造りの小さな祠みたいな小屋で営業していた〈チャイ屋〉によく足を運びました。
そこで初めて〈チャイ〉を飲んだ時は、香りの良さに思わず「何だ、これは!」と声に出るくらいの衝撃がありました。
聞くと〈イライチ〉と〈ショウガ〉をスパイスに使っているとのことで、〈イライチ〉とは〈カルダモン〉という香辛料でした。
人一人がちょうど入るくらいの祠のような小屋に、インド人の親父が一人、少し高くなった台の上に座って〈チャイ〉を作っていました。
見てると何やら乾燥したさやの中から黒い粒を取り出し、ナイフの腹で潰していました。
〈イライチ〉です。
それを少量、煮だっている牛乳と茶葉の中に混ぜ、〈ショウガ〉も入れるのが、その方の流儀だったみたいです。
〈イライチ〉の香りの良さにひどく驚いたのでした。
もともと薬味や香辛料など香りのものが好きだったのもありますが、〈イライチ=カルダモン〉の香りは、その中でも一気にトップクラスに駆け上るものでした。
〈イライチ=カルダモン〉は、ショウガ科の植物のようですから、〈ショウガ〉との相性も良かったのだと思います。
スパイスの女王〈カルダモン〉、またの名をインドでは〈イライチ〉。
〈カルダモン=イライチ〉がスパイスの女王と呼ばれることに、私は異存はありません。
うっとりする気品のある香りは、もしも私が猫でしたら〈またたび〉のように酔いしれるのだと思います。
ショウガ科の香辛料でインド、インドネシア原産です。
幸せを感じられる香り、そんな気がします。
HanaAkari