このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【クリシュナ】色男フェロモン全開|旅の玉手箱 インドの神様編-13
【クリシュナ】
非常に剛力ながらも容姿端麗、美しくフルートを奏でる美男子〈クリシュナ〉は、牛飼いの女性を全て虜にしてしまう程の、色男フェロモンが駄々洩れのような神様です。
インドで見掛けた〈クリシュナ〉神は、青い肌で描かれているものがほとんどでしたが、伝説では真っ黒な身体で生まれたといわれ、それがそのまま名の由来になりました。
〈クリシュナ〉=〈黒い者〉
古代インドで成立した「カースト制度」の、〈クシャトリヤ(武人階級)〉に生まれた英雄神としてとても人気がありました。
実在した英雄を神格化したという説もあります。
また多くの化身を持つ〈ヴィシュヌ〉神の一つの姿だともいわれています。
幼少期の〈クリシュナ〉があくびをした際に、義母が口の中を覗いてみたら、その中に地球から宇宙まで森羅万象すべてが広がっていたことから、〈クリシュナ〉が〈ヴィシュヌ〉神の化身だと悟ったという逸話があります。
このエピソードを描いたポスターもよく見かけました。
子供の〈クリシュナ〉が大きな口を開けていて、その中に大地、海、太陽、月と宇宙がありました。
〈クリシュナ〉は単独の神として人気がありますし、〈ヴィシュヌ〉の化身としても存在感を示しています。
私は〈ヴィシュヌ〉の化身の一つに〈ブッダ〉が含まれていることを考えると、〈ヴィシュヌ〉側が〈クリシュナ〉人気にあやかって後から取り込んだのではないかと邪推しています。
古代インドからの身分制度「カースト」は、現代でも受け継がれています。
四つの身分が階級制になっています。
一位:バラモン(祭司)
二位:クシャトリヤ(武人)
三位:ヴァイシャ(平民)
四位:シュードラ(奴隷)
さらに〈シュードラ〉の下にカースト外の〈不可触民〉がありました。
現代ではさらに細分化されていて、今なおヒンドゥー社会に大きく作用しています。
これは、日本の江戸時代に「士農工商」という階級制度があったというレベルのものではなく、長い歴史があり、根の深さや張り方がまったく違うように思います。
インドの独特の空気感は、このような文化から滲み出ているのかもしれません。
HanaAkari