このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【チベタン・レストラン】逞しきかな…|旅の玉手箱 食べ物編-25
【チベタン・レストラン】
インドのラダック地方は、ラダック人の居住地域でチベット文化が色濃く残っている素敵な場所でした。
しかし、かつての秘境も現代では少々交通の便が悪いといった程度で行けますので、特にラダックの中心〈レー〉の町ではラダック人以外の人種の姿もありました。
世界各国からの旅行者は一時的に〈レー〉の町を訪れるだけですが、インド人、カシミール人、チベット人などは、ここで暮らしている人達もいました。
中でもインドには中国のチベット侵攻から逃げて、インドに亡命したチベット人達が多くいましたから、インドの地で逞しく暮らしていたのです。
〈レー〉にも〈チベタン・レストラン〉がありました。
国を失うという悲しみは、私には想像しづらいことです。
〈レー〉に滞在中は、一日一回はその〈チベタン・レストラン〉に行き、決まってフライドライスかフライドヌードルを食べました。
チベット人のお爺さんが、若いインド人らしい青年と二人で切り盛りしていました。
チベット人とラダック人の外見はもちろん似ているのですが、完全とはいかないもののアジア人には違いが分ると思います。
日本人、韓国人、中国人の外見の僅かな差異をなんとなく感じ取れるような感触です。
私がいつも焼き飯や焼きそば系の料理を食べた理由は、安いながら馴染みがあって無難に食べることが出来たからでした。
そして、それは嬉しいことでした。
インドに長くいると時にカレー味に飽きてしまい違う味を欲したので、チベタン料理は良い避難先だったと思います。
中華料理の影響だと思いますが、同じような食文化が日本にもあるので受け入れやすかったのです。
チベット料理で有名なものは、〈モモ〉と呼ばれる蒸し餃子です。
〈モモ〉チベット文化圏の〈蒸し餃子〉。
餃子文化はチベットにもありました。
日本では焼き餃子が主流ですが、チベットの〈モモ〉は蒸し餃子が定番でした。
小麦粉の皮で肉を包み、蒸す、もう間違うことのない味になります。
ネパールやブータンも含め、チベット文化圏では定番メニューだと思います。
中身の肉は本家チベットでは〈ヤク〉の肉を使うそうですが、実際は〈ヤギ〉の肉を使っていることが多いと聞きました。
HanaAkari