このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【豆菓子】知恵の鍋とインドの素朴な菓子|旅の玉手箱 食べ物編-28
【豆菓子】
インドの仏教聖地〈サールナート〉に滞在していた時に、〈チャイ〉と〈豆菓子〉の屋台をよく利用しました。
天然の素材を炒っただけのシンプルな〈豆菓子〉は、素朴ながらとても美味しかったです。
現在の日本の物質に溢れた感覚では失ってしまった、古き良き時代を想起する庶民のちょっとした、お口の友といった感じです。
見た目に派手さは一切ない地味なものでしたが、実はああいったもの程、今となっては贅沢なんだと思います。
炭火の上に置かれた大きな中華鍋の中に、常に塩が混ぜられた砂が熱せられていて、注文をするとその中に豆などを入れて炒ってくれました。
しばらく炒った後、ザルで砂をこすと香ばしく仕上がった天然の〈豆菓子〉の完成です。
安っぽい紙の袋に移された〈豆菓子〉には、ほんのり塩味が付いていて、出来立ては温かくて香ばしく本当に美味しかったです。
豆を塩が混ざった砂で炒るという手法にも奥深い知恵を感じました。
豆は何種類かあったと思いますが、はっきりと覚えているのは「レンズ豆」と「ひよこ豆」で、豆ではありませんが「米粒」もありました。
何も注文しなければお任せで混ぜ合わせたものを、金額分炒ってくれました。
10ルピーと注文すればそれだけ分、5ルピーと注文すれば…といった風に買う側の都合に合わせてくれました。
私は「ひよこ豆」が一番お気に入りだったので、「ひよこ豆」5ルピー分、他5ルピー分、合わせて10ルピーみたいな感じで、「ひよこ豆」の割合を多くして注文していました。
単体で食べるよりもミックスで味わう方が美味しく感じたので、ミックスはするのですが「ひよこ豆」多めがお気に入りだったのです。
「ひよこ豆」は、粒が他のものよりも大きくて、ホクホクする食感と香ばしさが堪りませんでした。
「ひよこ」みたいな形をした「ひよこ豆」。
インドで一番ポピュラーだった豆は、私が目にした感覚では「レンズ豆」でした。
インドは「ひよこ豆」の生産も盛んだそうですが、一般的に庶民の食卓や、「ターリー=定食」なので使用されている「ダル=豆」が「レンズ豆」だったので、私の狭い視野では「レンズ豆」が目立っていました。
味はどちらもイケて、豆ですから栄養価も高いので、素晴らしい恵みなのは間違いないと思います。
ひよこの形をしているから「ひよこ豆」、見た目はぷくっとして可愛いげのある「ひよこ豆」に軍配が上がるかもしれません。
HanaAkari