言葉の小槌126 word is magic【いちびり】

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言葉の小槌③ 言葉の小槌〈101~150〉
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「あいつ、いちびりやで」……あいつ、お調子者やで

「あいつ、いちびってんで…」……あいつ、調子乗ってんで…

このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。

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【いちびり】昭和の母とヤンキー御用達の文句|言葉の小槌126

【いちびり】

子供時分、家の中でふざけてはしゃいでいると「もう~、いちびりなさんな!」と母に怒られたものです。

ふざけたり、はしゃぎまわることを「いちびる」と表現しますが、「いちびり」とは「いちびる人」や「いちびること」を指しています。

「あいつ、いちびりやで」……あいつ、お調子者やで

「あいつ、いちびってんで…」……あいつ、調子乗ってんで…

上はただ単に、「あいつは調子のいい奴」とレッテルを貼るだけですが、下は「調子に乗ってるから、いっちょかましたろか!」といった具合に喧嘩や闘争に発展する可能性を秘めています。

上記の二つは昭和の時代では、だいたい中高生の頃によく聞いたパターンです。

「なめてんじゃねーよ!」みたいな感じです。

ヤンキー
ヤンキー

一方、家で昭和のお母さんたちに定番で、小さな子供に物申していた「いちびりなさんな」は「ふざけてはしゃがないで!」という意味で、「静かにしなさい!」と抱き合わせで使われることが多かったです。

しかし子供は簡単には言うことを聞かないもので、さらなる強烈な昭和のお母さん語録が飛び出すのでした。

いちびる

「いちびり」を止めなかった場合には、さらなるどぎつい言葉「あんたなんか知らん。あんたなんか橋の下で拾ってきた子や!」が発現しました。

いちびり続けると母のヒスはボルテージを増し、終いには私はあなたの母親ではありません発言が飛び出すのでした。

そんなに言うことを聞かない子を産んだ覚えはない!ということです。

「私はそんなに言うことを聞かない子を産んだ覚えはないから、あんたは橋の下から拾ってきた子供や!よその子や!」てな具合です。

怒る母

嬉しいですよね。

橋の下に捨てられていた捨て子の私を、拾ってきて育ててくれたということでしょう、なんて素晴らしい人に出会えたんだろうという気持ちです。

感謝ですね。

実の子だろうとなかろうと、育ててくれたわけですから感謝しかありません。

もちろん、私は橋の下から拾われてきた子ではありませんが、そのような言葉が流行っていた背景には、もしかしたら昭和の頃には捨て子が多かったのかもしれません。

昭和のヒステリックな母親と昭和言葉が懐かしく思います。

HanaAkari

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