これは伯母から聞いた話ですが、とても面白いので憶えているのですが、「三途の川」を渡りかけて戻ってきた物語です。
「それはそれは恐ろしい鬼のよう形相で鬼が追いかけてくるものですから、その恐怖は尋常ではなく何度も転んでは起き上がり、山越え谷越えて何処をどう走ったのか分からないそうですが、とにかく必死で逃げた先に自分のいる病院があり、窓から自分の病室に飛び込んだ瞬間に意識が戻ったそうです」
このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。
【三途の川】体験談からすると向こう側との境界線?|言葉の小槌48
【三途の川】
「黄泉の国」との境には「三途の川」があり、川を渡るとあちらに行くというお話は、嘘のように思いつつも、どこかで信じているようなところが私にはあります。
信じているというよりは、漠然と何かそのようなものがありそうだと感じているといったところです。
人それぞれで「境界線」になる風景は違っているかもしれませんが、何かありそうな、無さそうな、そんな風なところです。
ただ欲を言うと一般的に言われているような、「賽の河原」に鬼が出てくる、「三途の川」のイメージが美しくないので、「境界線」は美しい情景であって欲しいと思います。
これは伯母から聞いた話ですが、とても面白いので憶えているのですが、「三途の川」を渡りかけて戻ってきた物語です。
話からすると「三途の川」のある所は、やはりこちら側とあちら側の「境目」の地点だという感じがします。
伯母は今も健在ですが、心臓を患って緊急手術を受けた際にあの世へ行きかけたことがあったそうですが、その時の事をおもしろ可笑しく話してくれました。
気が付けば、「三途の川」らしき河原に居たようです。
そこには他にも人がいて皆ある方向に向かって歩いて行くようなので、付いていこうとしたら空が明るくなり、黄金色に輝くおじいちゃん(伯母にとっては父)が、仰向けに横たわった状態でゆっくりと降りてきたそうです。
おじいちゃんは無言だったそうですが、その時に何故か「あっちに行っては駄目だ」と我に返り、よく見ると他の人は皆、鬼が門番をしている大きな扉の向こう側に、向かっているのが分かったそうです。
黄金色に輝くおじいちゃんが通せんぼをしているので、伯母は先には行けずにいると、凄まじい形相で鬼が近づいてくるので恐ろしくなって走って逃げだしたら、鬼が走って追いかけてくるので必死に逃げまくったそうです。
それはそれは恐ろしい鬼のよう形相で鬼が追いかけてくるものですから、その恐怖は尋常ではなく何度も転んでは起き上がり、山越え谷越えて何処をどう走ったのか分からないそうですが、とにかく必死で逃げた先に自分のいる病院があり、窓から自分の病室に飛び込んだ瞬間に意識が戻ったそうです。
手術を受けた後ずっと意識不明だったそうですが、あの瞬間に意識が戻って、凄くホッとしたそうです。
あちら側の事と現実の事が繋がっているのが不思議です。
後日看護師から聞いたそうですが、うわ言で口走っていたことが、自分が体験した出来事と見事に符合するので驚いたと言ってました。
看護師が言うにはそういったことは割と頻繁にあるとのことです。
夢ということですか?
しかし一点だけ腑に落ちないところがあります。
伯母は緊急で担ぎ込まれて初めて行った病院の窓に、外からそれが自分のいる病室の窓だと分かって飛び込んで行ったのですから、夢で片付けるには少々無理があるように私は感じます。
面白い物語が聞けました。
HanaAkari