「ほんとうの心の力」 中村天風著 を読んで

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読書感想文〈ほんとうの 心の力〉 〈日本人〉作品を読んで
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ヒマラヤの麓〈カンチェンジュンガ〉を望む山奥で、覚醒されたエピソードにそそられて一読しました。

〈中村天風〉氏のエピソードを知り、自身の病を克服する為に医の道を志すも挫折し、そんな折にひょんなことからヨガマスター〈カリアッパ師〉と出会い、インドの山奥ヒマラヤの麓にて、修行を積んだというところが、とても気になりました。

世界で三番目に高い山〈カンチェンジュンガ〉を望むインドの山奥は、現代でも僻地でしょう。

カンチェンジュンガ
カンチェンジュンガ

随分と前ですが、私はインドを放浪していた時期があり、〈ダージリン〉から〈カンチェンジュンガ〉を遠く眺めたことがあったのを思い出し、そんな〈ダージリン〉でも標高2000メートル以上ありましたから、そこよりもまだ山の奥地での生活は、時代背景からしても秘境そのものだったのではないかと想像しました。

インド、チベットにはヨガマスターのみならず、聖人と呼ばれる精神性の高い尊師が多く存在したようですから、〈カリアッパ師〉もそんな一人なのでしょう。

かつては日本にも多くの尊師がいましたし、〈中村天風〉氏もそんな人物ですね。

ブッダ

不思議なことはその教えが〈中村天風〉氏に受け継がれ、日本人の〈天風〉氏の心を通してさらに滋味を増し、それが日本語として現代の私たちに継承されているのですが、そう考えてみると偶然を装った必然のようにも思えてきます。

読書中案の定、反省させられる言葉の数々、認めたくなくても認めざるを得ない一見優しそうでも厳しい教訓に出会い、外国語でもなく、難しい日本語でもないだけに読みやすいからこそ、考えさせられることがが多くありました。

普段着の日本語の利点だと思います。

また「心」という言葉を使われて表現されているのが、受け入れやすかったように思います。

そろらく、ここでの「心」には、「精神」「魂」「霊性」などの意味も含まれているのでしょうが、「心」」という響きが心地良くて、素直に反応できました。

人間の地獄をつくり、極楽をつくるのも心だ。心は、我々に悲劇と喜劇を感じさせる秘密の玉手箱だ。

その星を見て考えている心のなかは、その大きなものを相手に考えられるんですから、それ以上大きなものじゃないか。という簡単なことを考えただけでも、いかに人の心が一切を凌いで広大無辺であるということがわかってくる。

思いを深くして考えてごらん。この幽玄微妙な神秘の数多い世界のなかで、人間の心だけにこうした尊い偉大な働きが与えられてあるのはなぜかということを。

素敵だと感じた言葉のいくつかを抜粋させていただきます。

どれもこれも素敵な言葉の数々ですが、この時はピンとこない場合でも、心のあり様や、置かれている立場、状況によって絶妙に作用する時が起こる場合があります。

このような書籍を読むと、その時の気づきとは別に、何かをきかっけにして発動する時限爆弾のようなものが心の奥底に設置される場合があります。

ある日の大きな悲しみや、苦しい悩み、深い感動、身に余る感謝による震えなど、引き金となる出来事によって、その時に最適な智慧が呼び覚まされたりします。

心の凄いところです。

ブッダ

「悲しみにも情味はある」

生活の情味というものは、楽しい事柄のなかにのみあるものではない。悲しいことのなかにも、また悲しいことがらのなかにもある、まして人間世界の階級差別に何ら関係はないのである。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「悲しみにも情味はある」から一部抜粋

「たった一人でも正当は正当」

百人のなかで九十九人が間違っていても、間違いは間違いなんです。百人のなかでたた一人が正当を守っていれば、数が少なくても、正当は正当なんです。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「たった一人でも正当は正当」から一部抜粋

「平安を確保しえた心」

自分に対しては、常に厳然としてつつしまねばならぬことは何よりも必要のことであるが、自己以外の人に対しては、あくまでも清濁併せ吞むという寛容さを失ってはならない。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「平安を確保しえた心」から一部抜粋

「悪人と善人」

あなた方の家庭だと、善人ばかりだからいけねえ。何か事があると、「私はいいんだ、私は何も悪いことはしてないんだ。あの人がわるいんだ」とこうなるから、そりゃ好きに喧嘩をやりだすものね。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「悪人と善人」から一部抜粋

「現在に感謝」

もしも自分の望むものが自分のものにならなかったら、現在持っているものを価値高く感謝して、それを自分のものにしてゆきなさい。こういう心がけで自分の人生に生きていくと、心のなかの煩わしいというものがなくなっちまいます。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「現在に感謝」から一部抜粋

「満足する習慣」

人生に何の悶えもないときが一番幸福なんだ。ああ、あれが欲しい、これがこうなりたいというときは、もう幸福じゃないんだよ。一つの要求が出てくると、それが満たされるまでは少しも幸福を感じやしない。

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「満足する習慣」から一部抜粋

「祈らずとも」

本当の真理から論断すれば、何も神や仏だのと頼らなくてもよろしい。むかしからの歌にもある。

心だに 誠の道に かないなば 祈らずとても 神や守らん

「ほんとうの心の力」中村天風著より:「祈らずとも」から一部抜粋

HanaAkari

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