「自信の無さ」 太宰治著 を読んで

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自信の無さ〈読書感想文〉 〈太宰治〉作品を読んで
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卑屈さを肯定した先に咲く花に希望を見つけたい、そんな心の叫びでしょうか⁉

「自信が無い」ということは、普通は否定的な感情だと思われてしまいがちですが、私はそれを受け入れて肯定してやっていきますという、太宰治氏の強い意志表明を感じました。

価値観の違いで起こる悩みに対する、太宰治流の一つの達観がありました。

この太宰治氏の考え方は、別にひねくれているつもりはなくても、周囲にはひねくれたように受け取られてしまう傾向のある人には、心が少し軽くなるヒントではないでしょうか?

少なくても私はそう感じました。

よくネガティブなのは良くない、ポジティブこそが成功への道だ、もっと自信を持つべきだといった言葉を耳にしますが、私にはそう出来ない者は落伍者だと言っているように聞こえてしまう時があります。

そのような言葉で勇気付けられる羨ましい人は、一体どれくらいいるのだろうか?と疑問に感じたり、卑屈ですがそう思ってしまうのですから仕方ないのです。

太宰治氏もやはりそうだったのだというのが、はっきりして愉快でした。

先輩から最近の若い者は自信がなくぐらついていると指摘され、確かにそうだから自信を持ちたいと思うのですが、怠けてもいないし努力もしているのに自信を持つことが出来ない。

努力と共にいよいよ自信が無くなってしまう、「臆病な苦労」をしていますが、それが悪いことですか?何かいけないのですか?そう太宰治氏は訴えていました。

出来ないものは仕方ないから、出来ない卑屈さを克服するのではなく「自信の無さ」を大事にして、卑屈さを素直に肯定した先に咲く花があることに願いを込めていますと、言い切っているのが清々しかったです。

ネガティブパワー

ネガティブの中に不屈の精神が見えているのが、粋な感じがしました。

価値観の違いから生じる悩みや葛藤は多いですし、ましてや少数派だとしたら肩身が狭く辛くなりがちなところに、「何がいけないのですか?」「それでも生きていきます、何か?」そう居直った感じが素敵でした。

もっと言うと相手のことを尊重しない、大きなお世話に対して「うるせぇよ!」という心の叫びだったのかもしれません。

無料の電子図書館「青空文庫」について

読書感想文〈太宰治〉

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。

「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。

著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。

日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。

様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。

実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。

〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。

良い発見をしました。

HanaAkari

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