「ガリバー旅行記」 スウィフト著 を読んで

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ガリバー 旅行記〈読書感想文〉 〈外国人〉作品を読んで
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奇想天外、奇妙奇天烈なぶっ飛んだ冒険談なのに、ちくりと一刺しするような場面もあり傑作だと思いました。

私はガリバーという男がが小人の国に漂着する物語だとばかり思っていたのですが、四編に渡り奇妙な国々を巡るお話だったことを知りました。

小人の国、巨人の国、天空人の国(これはきっと天空の城ラピュタのモデルですね)、日本までも巡って、最後は馬人間の国に。

風刺小説と解説がありますが、それが所々にハッとさせられる文面に出てくるのが面白いですし、何より世界の発想がぶっ飛んでいるところに魅力があります。

小人の国リリパットでは、政治家を選ぶ時は、才能より徳義を重んじるようです。

政治は誰にも必要なのだから、普通の才能があればよいけれど、徳義のない人は、いくら才能があっても、危険だから、そんな人には政治をまかせられないという。

う~んと唸ってしまいました。

ガリバー旅行記

巨人の国では猫もガリバーよりも大きく、ガリバーは非常に恐ろしいのにも関わらず、巨大猫の鼻っ柱の前をわざと行ったり来たりして度胸試しをするのが滑稽なのですが、巨大猿に襲われ辛くも救われた際には強がりを言って巨人たちに失笑されてしまいます。

自問自答したガリバーはこう答えを出しました。

はじめから問題にならない程の差がある連中の中で、いくら自分を立派に見せようとしても駄目だということが分かったそうです。

それもあってかガリバーは自分の住む世界のことを自慢げに巨人の王様に話すのですが、火薬と大砲のことを話し、それがあれば怖いものはないといった趣旨を口走ってしまいます。

すると王様は呆れかえってしまいました。

「お前のようなちっぽけな虫けらのような動物が、よくもそんな鬼、畜生にも等しい考えを抱けるものだ…むごたらしい有り様を見てもお前は平気でなんでもない顔をしていられるのか…人殺しの機械をさも自慢げに話すが、そんな機械の発明こそは、人類の敵か、悪魔の仲間のやることに違いない…」

王様は怒ってしまいましたが、悪魔が跋扈する世界に住み、何でもないような顔をして生活をせざるを得ない私はガリバー以上にやるせない気持ちになりました。

巨人

奇妙奇天烈な世界では、どのようにしたら税金を多く集めることができるのかが話し合われていました。

一人は悪徳や、愚行に税金をかけるといいとし、もう一人は人がその自惚れている長所に税金をかければよいという意見でした。

う~ん…

ガリバーが最後に行った国フウイヌムという馬人間の国には、ヤーフという人間そっくりの野蛮人がいました。

ヤーフに比べガリバーは知識人になるのですが、ガリバーが馬人間に自分の住む世界のことを話した時の、馬人間の反応はまたしても片腹痛いものでした。

馬人間

ヤーフどもがお互いを憎しみ合うのは、他の動物には見られないほど獰猛なもので、それは誰でも知っていることなのだが、この国のヤーフどもの争いも、お前が言ったお前たちのその争いも、どちらも、どうもよく似ているのだ。

痛痛痛痛たーって感じです。

ヤーフたちは近所同士で、折もあらば不意をおそってやろうと、隙を狙っているのだそうです。

どこの世界の話だかよく分からなくなってきました。

風刺小説だということは分かりました。

ただこの物語は300年くらい前のお話ですが、現在と何ら変わりがないようで、人間は300年前から成長していないようですね、残念ですけど…

以前に読んだことのある作品を、改めて楽しむという遊びを見つけました。

昔に読んだことのある作品を、時間が経過して価値観や人生観にも以前とは違いがある今、再度読み直してみることが私の一つの楽しみです。

大半のものは内容は忘れてしまっていて、タイトル名と作者だけが記憶に残っている場合がほとんどですので、以前とは違う自分が新しい作品を読むような感じになることが楽しくて、私の遊び心に火を灯してくれました。

久しぶりに読み直してみると、忘れていたはずの内容が思い出されたり、その作品を読むに至った経緯なども思い出され懐かしさも堪能できます。

まさに一石二鳥のささやかな趣味を見つけた気持ちです。

また今では、著作権が消滅した作品が「青空文庫」という電子図書で無料で読むことが出来るので、大変ありがたいことです。

小人

「青空文庫」とは

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。

「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。

著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。

日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。

様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。

実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。

〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。

良い発見をしました。

HanaAkari

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