「キャプテンハーロック」 竹内清人著|原作:松本零士|ストーリー:福井晴敏 を読んで

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キャプテン ハーロック〈読書感想文〉 〈日本人〉作品を読んで
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宇宙海賊…訳ありの過去を抱えながら生きる者達が、見せてくれました。

「キャプテンハーロック」…私には懐かしい響きです。

しかし、それは漠然とした記憶であって、詳しい内容は憶えていないものですから、時の中を漂流する一つの記憶の断片でした。

年齢を重ねてくると、たまたまそうした記憶の断片を思い出すきっかけがあれば、その記憶のことがとても気になってしまいます。

過去は取り戻せませんし、今のところ戻ることも出来ませんが、現代では簡単に過去のデータを探すことができ、手軽にアクセスできる幸せな世の中になりました。

早速、記憶の断片に触れたことから気になり始めた欲望を満たすために、小説版「キャプテンハーロック」を見つけ、読んでみることにしました。

ワームホール

この物語がオリジナルストーリーなのか、原作の漫画に近いものなのかすら分からいながら、物語の宇宙世界には、案の定没入することになりました。

「キャプテンハーロック」の謎めいた力の源が、ダークマター(暗黒物質)であり、闇だったこと…闇から光が生まれ、光から闇が生まれる…そんな矛盾を抱えながら人間はどのように生きるていくのだろうか?登場人物たちの心の葛藤に注視することになりました。

この物語は未来の世界や宇宙へのロマンにワクワクし、スペースファンタジーを楽しむ以上に、心の闇と向き合うそれぞれの人間の生き方に魅力があったように思います。

宇宙海賊…訳ありの過去を抱えながら生きる者達が、見せてくれました。

海賊旗

時間と時空を戻し、宇宙をリセットするような発想がありましたが…

よく終末論などで、地球を一旦リセットして立て直すといったことを耳にしますが、何かそのような発想のあるSFストーリーだったように感じました。

読書の途中から文章を目で追いながら、別の宇宙へと勝手な旅をしていました。

人間の欲望により破滅へと向かう地球、宇宙を救うため、規格外の大きな力が働いて立て直す…

そんな都合の良いものなのでしょうか?

大きな存在ならば、自らの責任は自らで責任を負うことを望むのではないのかな?…それがたとえ自滅の道であっても…

どっちに行くにしても、選んで行動するのは、人間一人一人の努めなのかもしれないと…空想が巡りました。

宇宙

ですから〈ダークマター〉のような無限の力や、〈キャプテンハーロック〉のような英雄に責任を押し付けることではないような感じがするのです。

終末論とは、自滅の道を行くのか、その逆を行くのかを方便で語っているのではないのかな?

どこまでも選ぶのは人間であって、大きな愛で責任をもって見守っているのが宇宙なのかもしれません。

しばし、そんな宇宙を漂流していると、小説「キャプテンハーロック」は、一つの結末をもってエンディングとなりました。

HanaAkari

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