事実の陰に神の存在があることは、否定する方が難しい⁉
タイトルを一見するとスピリチャル本のような印象を受けますが、医者だった矢作直樹氏がこの本を書いた動機は、簡単に目に見えないものを受け入れることは難しいのだけれど、何か気になっている、もやもやしてる人へ何か参考になれば…という思いがあったのではないかと思いました。
内容はスピリチュアルにありがちなフワフワした感覚がなく、医者の仕事での実際の経験を語られていますので、非常に説得力のあるものだと思います。
医者の経験談で、延命治療をするか?どうか?を患者さんの両親に問う必要があった際の話でした。
「これまで十分にしていただきまして誠にありがとうございました。娘の気持ちを考えまして、もうこれ以上の治療は結構です」と穏やかに、けれどもきっぱりと言われました。
私は母がガンで亡くなるまでの闘病の際に、目の前の現実を認めたくないあまり、労を取って頂いているお医者さんに失礼な言葉をぶつけたのを思い出しました。
未熟だった自分が恥ずかしいものです。
それは私に「死」に対する知識が無かったことも多少なりあると思いますが、結局は私に足りないものを母が「死」をもって教えてくれたのだと、今では思っています。
ちょうど母の「死」の少し前あたりから、見えないものの存在や、精神世界に興味を持ち始めていたのですが、あくまでも興味本位の頭でっかちだったから…
しかし、それから後の人生で、見えないものへの確信になるような出来事が頻繁に目立つようになり、困ったことにのめり込んでいった…そして今は日々の中でどのように調和させることができるのだろうという思いを持ちながら、目の前のことで精一杯といった感じです。
しかし、「人は死なない」の中でもありましたが、現代の医学知識では解明できない出来事があるという事実が現にあるということ、そんなことを僅かでも経験してしまうと、無視して過ごすことは出来ません。
ですが余裕がある訳でもなく…
たぶんですが、背伸びしないで良心に基づいて精一杯生きることが肝心なことなんだと思います。
感謝を忘れずに…
「神は決して真理を押し売りはいたしません」
「神」は様々に表現されますが、そのどれであっても「神は決して真理を押し売りはいたしません」という言葉が述べられていますという一文がとても気に入りました。
つまり、人が自分で気付いて納得して自分の行動を変えることに意味がある。
日々の心掛けとして、今自分のできることをやっていく、ささやかな利他行をしていく、という当たり前の生き方をすればよい。
派手さはありませんが、このようなところに勇気づけられます。
HanaAkari