無人島に漂着してサバイバル生活を送る少年たちの姿に、夢中になって読んだ子供時代が再び甦りました。
小学生の時に読書感想文を書いたような気がするのですが、記憶とは当てにならないものだということを、年齢を重ねる程に実感しています。
まだ呆けてきたという括りにはしたくないものですが、よく似たものかもしれません(笑)
そのような曖昧な記憶ですから、「十五少年漂流記」の物語の内容もほとんど憶えていませんでしたが、冒険物語を読んでみたくなり、再び読んでみると思い出す部分もあり、新しい発見もありと、かなり楽しめました。
十五人の少年たちを乗せた船が流され、漂い、嵐に揉まれ、ボロボロになりながらもなんとか無人島に漂着するところから物語は始まります。
この少年たちは非常に有能で勇敢で、無人島で生き抜く為に知恵を絞り行動し、幸運に恵まれながら、時に人間関係にもつれたりと、人としてどんどん成長をしてゆきます。
生きる事を諦めずに前を向いて頑張ることが、幸運も引き寄せるようでした。
無人島だからといって必ず洞窟があるとは限りませんが、ちゃんと住処となる洞窟を少年たちは発見するのです。
冬になると洞窟内でも5℃、外は氷点下17℃という環境の中を生き抜くのですから、凄いものです。
ちょうどこの物語を読んでいる時が、ロシア・ウクライナ戦争が一年以上続き、その影響が日本でも強く現れてきて、電気、ガス代の高騰、物価の高騰が騒がれている時でした。
私も電気代が高いなら使用を最低限度にしようと思い立ち、その冬はエアコンの暖房や、ハロゲンヒーターなどは一切使用しなかったものですから、時に家の中にいても寒さに震える時もありましたので、「この少年たちはもっと過酷な状況で頑張っているのだから、私はそれより恵まれている状況だから、やり通せる、大丈夫だと」訳の分からない自己暗示のための糧にさせて頂きました。
勇気づけられたのです。
私は大阪に住んでいますし、唯一、コタツは使用していましたので乗り切れて当然なので、物語の子供たちには遠く及びませんが、エアコンを一回も使用せずに冬を越すという経験が、今後何かしらの役に立てばいいのですが…
この物語は登場する動物や植物など、多種多様で面白いのですが、かなり仮想なところがあるようでしたので、ツッコミどころは満載でしたが、そこが空想の物語のいいところです。
ノンフィクションでないのだから、楽しめることが優先で清々しいと思いました。
名言「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」〈ジュール・ヴェルヌ〉
私は〈ジュール・ヴェルヌ〉氏の作品が好きで、子供の頃は夢中になって読んだものでした。
1825年2月8日~1905年3月24日を生きた、フランス人の作家です。
冒険や当時は空想だった科学的要素を盛り込んだ小説には、非常にワクワクしたものです。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」
〈ジュール・ヴェルヌ〉の名言です。
以前に読んだことのある作品を、改めて楽しむという遊びを見つけました。
昔に読んだことのある作品を、時間が経過して価値観や人生観にも以前とは違いがある今、再度読み直してみることが私の一つの楽しみです。
大半のものは内容は忘れてしまっていて、タイトル名と作者だけが記憶に残っている場合がほとんどですので、以前とは違う自分が新しい作品を読むような感じになることが楽しくて、私の遊び心に火を灯してくれました。
久しぶりに読み直してみると、忘れていたはずの内容が思い出されたり、その作品を読むに至った経緯なども思い出され懐かしさも堪能できます。
まさに一石二鳥のささやかな趣味を見つけた気持ちです。
HanaAkari