このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【スーリヤ】お洒落な太陽神の伝説|旅の玉手箱 インドの神様編-26
【スーリヤ】
太陽神〈スーリヤ〉は、七頭の炎色の雌馬が牽引する戦車に乗って東から西へと天翔ける。
〈スーリヤ〉の光輝に満ちた姿は天空の宝石と讃えられるほど美しく、古代ヴェーダの時代(紀元前1000年頃から紀元前500年頃)においては、雷神〈インドラ〉と肩を並べる強大な神として人々に崇拝されていました。
が、現代のインド・ヒンドゥー教では他の古代の神々同様、過去の栄光により細々と息を繋いでいるのが現状です。
現代の人々は〈シヴァ〉〈ヴィシュヌ〉の二大神に篤い信仰を持ち、太陽神は〈ヴィシュヌ〉と融合した印象です。
インド神話は地方によって、大筋は似ていても少しづつ内容が異なる場合が多く、呼び名も様々あります。
太陽にまつわる神も〈スーリヤ〉以外にあり、同一の神とされるケースが多いようですが、複雑怪奇なインドの神々のことですから、人々は身近な神をそれぞれ好きに信仰していたのかもしれません。
地方色、流派、云々、ごちゃ混ぜなのがインドらしいと思います。
〈スーリヤ〉に関しては、インド・オリッサ州プリーの「コナーラクのスーリヤ寺院」が有名です。
その古代の太陽寺院遺跡は、世界遺産にも登録されています。
太陽神の〈スーリヤ〉、別名〈ヴィヴァスヴァット〉周辺の神々の、光と影にまつわる話。
太陽神〈スーリヤ〉は、太陽神〈ヴィヴァスヴァット〉と同一視されています。
〈ヴィヴァスヴァット〉の妻は、〈サンジュニャー〉ですが、この二人の間に生まれた子供が、人類の始祖〈マヌ〉と、死の神〈ヤマ〉とヤムナー川の女神〈ヤミー〉の双子の兄妹です。
しかし、夫の光輝く姿に耐え切れなくなった〈サンジュニャー〉は、影の神〈チョーヤ〉を自分そっくりに変身させ身代わりにして逃げだしてしまいます。
そして〈ヴィヴァスヴァット〉と〈チョーヤ〉の間に生まれた子供が、「黎明」と「黄昏」の薄明りでした。
光と影の神の子供が、明け方と夕暮れの「薄明り」というのはお洒落な感じがします。
またこのような話もあります。
太陽神〈スーリヤ〉の恋人は暁の女神〈ウシャス〉であり、夜の女神〈ラートニー〉の妹だそうです。
毎朝美しく曙として現れる〈ウシャス〉を〈スーリヤ〉は追いかけて抱きしめるのですが、そうすると暁の女神〈ウシャス〉は消滅してしまいます。
儚い間の美しき女神〈ウシャス〉、恋人である〈スーリヤ〉が彼女に追いつき、日が昇ると消えてしまう刹那のロマンスです。
太陽神〈スーリヤ〉は、仏教では「日天」になりました。
太陽神〈スーリヤ〉は日本では仏教の守護神となり、仏教では最上界とされる天界の十二天の一人になりました。
HanaAkari