このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ターリー】】庶民の定番インドの定食|旅の玉手箱 食べ物編-14
【ターリー】
インドの大きな都市や外国人観光客が多く集まる著名な観光地以外では、外食ではほぼ一択だったのが〈ターリー〉でした。
〈ターリー〉を食べれる所はレストランや屋台、テントのような仮設のようなお店などで何処の町に行ってもありました。
ただ選べる食事は〈ターリー〉のみですので他に選択肢は無かったですが、〈サモサ〉のような軽食を一緒に売っているお店はありました。
私がインドで意外だったことは、〈ナン〉は高級品ということで、一般的には全然見かけなかったことです。
高級レストランでや富裕層の食事とのことで、大半の庶民には縁のないものだということです。
代わりに〈チャパティ〉と呼ばれる全粒粉小麦で作ったものを食するのが、庶民の生活でした。
この〈チャパティ〉は焼き立ては香ばしくて美味しいのですが、冷めると硬くなりパサパサして食べるのをちょっと苦痛に思うこともありました。
〈チャパティ〉は全粒粉小麦で作りますので、製粉した小麦で作る〈ナン〉とは似ているようですが、食べた感触は全然違うものでした。
また、〈タンドリーチキン〉もインド料理としてイメージが強かったのですが、実際にインドでは見かけませんでした。
高級レストランに行けばあるとは思いますが、それ以上に宗教的な理由があるようです。
インド人の多くはヒンドゥー教徒ですので、その多くがベジタリアンなので肉は食べませんし、牛は神様の乗り物ですので、牛肉は絶対に御法度でした。
インド国内でもイスラム教徒の方は肉食をするようで、〈タンドリーチキン〉はイスラム教徒やシーク教徒が食するもののようで、パキスタンやパキスタンに近いパンジャーブ州辺りの料理みたいです。
グジャラート州の〈ターリー〉は凄く美味しく、食べるのが嬉しかったです。
〈ターリー〉は地域によって味に違いがありましたが、正直なところ不味くはありませんが、特別美味しいとも思いませんでした。
さらに毎日カレー風味ですと、当時は飽きてしまうこともしばしばありました。
ところが、インドのグジャラート州に行った際は、その〈ターリー〉の味が絶品になったのには衝撃を受けました。
聞いた話ではインドでは州によって貧富の差が大きく、グジャラート州は裕福な人が多いリッチな州とのことでした。
グジャラート州はインドの中西部にあり半島のように突き出たようになっている、パキスタンと国境を接する州です。
確かにここは他より物価が高く、安宿でも他よりも宿泊代は高かったですし、〈ターリー〉は他の地域の2~3倍くらいの値段がしました。
私がインドに行った頃は、〈ターリー〉は10~15ルピーくらいでしたが、グジャラート州の〈ターリー〉は25~35ルピーくらいしました。
なので初めてグジャラート州のレストランに入り〈ターリー〉の値段を知った時は、噓ではないのかと疑ったくらいです。
しかし、出てきた〈グジャラート・ターリー〉の内容の充実ぶりと、味の良さを知って納得したのでした。
他の地域のような貧相な感じは一切なく、〈サブジ〉の種類も多くバリエーションがあり、味にもバリエーションがあって、カレー風味一辺倒ではなかったのです。
食材の種類も多く、味は洗練されて多様、初めて〈ターリー〉に美味しいと感動した次第です。
他の地域では選択肢がないので〈ターリー〉を仕方なしに食していたところもあったのですが、グジャラート州では食事の時間が楽しくてしょうがないくらいでした。
それ程に美味しかったです。
親しくなったインド人にグジャラート州の〈ターリー〉は凄く美味しかったと話したら、「あそこはお金持ちが多いからね、あの〈ターリー〉はカロリーが高いから太るよと」、と明らかに嫉妬心が窺えたことがありましたが、「あんたも相当お金持ちだろ」と内心ツッコんだのを思いだいます。
HanaAkari