旅の玉手箱【トゥンバ】〈飲み物編-6〉

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旅の玉手箱 (トゥンバ) 旅の玉手箱〈飲み物編〉
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〈トゥンバ〉はキビを発酵させて作る自家製のお酒といった感じでした。ネパールのカトマンドゥでは安い居酒屋のような所で楽しめましたが、私が〈トゥンバ〉を初めて飲んだのはブータンでしたから、ネパール近郊のチベット文化圏で飲まれている地酒かもしれません。独特な飲み方と味ですが結構おいしくて、じわじわハマっていくおいしさだと思います。
トゥンバ イメージ
画像はイメージです
〈トゥンバ〉の独特なところは、初めは木製の小さな樽のようなマグカップにストローを指した状態で持ってきてくれます。中には発酵して黒っぽくなったキビの粒粒が入っているだけです。そこにお湯を注ぐぎ入れるとおいしいお酒が出来上がります。そして出来上がった温かいキビ酒をストローで飲むのです。お湯は繰り返して数回注ぐことが出来ますので、アルコールが薄くなってきて味気がなくなるまで楽しめます。なかなか美味でした。

このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。

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【トゥンバ】旨いキビの地酒をネパール、ブータンで楽しめました。|旅の玉手箱 飲み物編-6

【トゥンバ】

初めて〈トゥンバ〉を飲んだのは、ブータンで小さな集落に誘って頂いた時に、ご馳走になった時です。

見た目も、飲み方も「初めまして」という飲み物でしたので、少し戸惑いました。

木製の樽のようなビールジョッキくらいの大きさの容器に木製のストローが差してあり、少し酸っぱい匂いがする黒っぽい粒粒が入っていました。

そこにお湯を注ぎ入れてしばらく時間をお置くと、自家製のおいしいお酒が出来上がりました。

それをストローで飲むのですが、温かいお酒は山間の冷える場所では嬉しいもので、このような手作り感のある発酵酒を、変わった飲み方で楽しむ食文化はとても面白いなぁと思ったのです。

味はじわじわと癖になるおいしさで、じんわりと楽しめるお酒でした。

ネパールのカトマンドゥでは〈トゥンバ〉は地元民の安い大衆酒場のようなところで楽しめました。

カトマンドゥ
カトマンドゥ

その時にキビを発酵させて作っているなどの〈トゥンバ〉についての、うんちくを知り合った旅行者から教えてもらいました。

その方はバックパッカーでもかなり異色な方でしたが、カトマンドゥではよく知り合った数人の旅行者と一緒に〈トゥンバ〉を飲みながら、色々と語り合ったものです。

異国の下町情緒のあるような居酒屋で、〈トゥンバ〉のようなお酒を飲みながらでしたから、話の展開も「カルマ」についてだとか、異国情緒に酔ったような内容が多かったものです。

そんなほろ酔いの楽しい時間の中で憶えていることで、どなたかが言った「日本で〈トゥンバ・バー〉をやったら人気が出るんじゃない?」「きっと、儲かるよ」という発言があります。

確かに変わった楽しめ方でお酒を飲めますし、味もいけるので、もし現実に可能なら面白い発想だと思い同感ではありました。

ただ、日本では規制などの縛りが良くも悪くもきっちりしているので、簡単にはいかないような気がしますが、情緒はあると思います。

カトマンドゥ
カトマンドゥ

〈トゥンバ〉はキビを発酵させたお酒ですが、雑穀や五穀の素晴らしさが再認識されているのは、悪い事ではないように思います。

キビ

雑穀の栄養価の高さが再注目されて久しいですが、小さな穀物ほど栄養価が高い傾向にあるのは自然の法則のような感じがします。

古代人はそういった自然の力を良く知っていたというお話も良く聞きますが、納得できるところは多いです。

美味しいものと健康的なものは必ずしもイコールにはならないと思うのです。

どうしても瞬間的に美味しいと感じるものに飛びつきたくなる生活を長く続けていると、本当に体にいいとされるものは遠慮されがちになる気はします。

〈トゥンバ〉のようなキビなんかは、よほど食生活に気を使っている人しか興味がなく、下手をすると雑草くらいにしか思わないのではないでしょうか?

私はアジアの国々に旅をする前は、ヒエ・アワ、キビ、などの雑穀は鳥のエサだと見下していましたし、幼少期に母親が栄養面を気に掛けて、白米に混ぜて食べさせてくれた時は、不味いと言って断固拒否したものでした。

親の心子知らずでした。

それが近頃は注目されているのは良い事のように思いますし、子供ながらに愚かだったなぁ~と笑ってしまいます。

スーパーフードと言われるキヌアやアマランサス等も、よく似たところでしょう。

ソバなんかもスーパーフードの類になると思うのですが、すべてのことには、人それぞれに合う合わないがありますから、一概に良いとは限らないのも人体の神秘だと思います。

アレルギーが出たりする人もいますので、万人に夢のような万能食というものはないのでしょうが、一昔前までは貧困の象徴のような食べ物で、垢抜けていない味が敬遠されたようなものがその実力をじわじわと見せ始めているような感じがします。

目先、小手先の味に踊らされていた私が、垢抜けていなかったんでしょう、今も。

キビ

雑穀の類の凄いところは、栄養価が高いだけでなく、過酷な条件や痩せた土地でも育つという、まさに雑草根性の賜物のようなところです。

そう考えると、栄養価が凝縮されているのも納得ですし、上手にそういった食品にあやかって食生活の幅を広げてみるのは面白いかもしれません。

ネパールに住む山岳民族なんかが普通に行っている暮らしの中には、私が忘れがちな大切な何かが、当たり前のように満載なのかもしれません。

HanaAkari

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