「もっと野生の味がしました」
瑞々しくて酸味が強く、口に入れた瞬間の「げっ、青臭ぁ~」というあの感触がたまりません。
このブログは言葉から連想したことを自由に書いています。時に勇気や喜びをもらえたり、慰められたり、癒されたり、言葉には力があるように思います。そんな素敵さや楽しさを少しでも表現できたら幸いです。
【野生味】自己主張が凄い野生の味が懐かしいです。|言葉の小槌55
【野生味】
個人的な意見ですが、最近野菜の味に「ワイルド」さが無くなってきているように感じています。
とても食べ易くなっているようには思うのですが、私は何か物足りなさを感じてしまいます。
私の幼少期の頃は野菜の味にもっとパンチがあったように思うのです。
もっと野生の味がしました。
最近の野菜に物足りなさを感じる部分は「野性味」で、灰汁のようなエグ味が無く、いろんな野菜が万人受けする味になっているように思うのですが、品種改良の結果なのでしょうか?
癖がなく食べ易いですし、「フルーツトマト」のように、できるだけトマトに水を与えないでストレスを与え続けることで糖度を上げるといった栽培方法の工夫で、フルーツのように甘いトマトがあったりと素晴らしいのですが、私は青臭い「野生の味」がするトマトが食べたいのです。
もう長い間食べていません。
どこにも売っていないので、絶滅してしまったのかと心配になります。
自家栽培とかで細々とでも生き残って欲しいトマトの味です。
瑞々しくて酸味が強く、口に入れた瞬間の「げっ、青臭ぁ~」というあの感触がたまりません。
「フルーツトマト」とは対極にある癖になる、「野生味」の美味しさのトマトでした。
不思議と癖のある味の方が、癖になるように思います。
納豆とかもそうですが、癖になる味の魅力には捨てがたいものがあります。
「ピーマン」なんかの強烈に癖が強い青臭さも、それが私には美味しいのですが、今は殆ど青臭さは感じない癖のない味になっていますし、「キュウリ」なんかもっとトゲトゲで、こちらもかなりエグ味があったのですが…
「ゴーヤ」まであまり苦くないのは流石に勘弁してもらいたいです。
「ゴーヤ」は苦いから美味しいように思うのですが、私の味覚が鈍感になってきているだけなのかな?
恐らく多数の方が、今時の味を好むので生産者もその流れに合わせていくのでしょうが、どちらか一方に偏ることなく、選択できたらどれだけ嬉しいでしょう。
生産者には生活がありますので、売れる野菜を作る必要があるのは分かるだけに簡単なことではないのでしょうが、大きな流れで小さな魅力的なものが消滅してしまうのは、非常に勿体なく残念です。
「梅干し」も身近に売っているものはあまり酸っぱくないので、私は「梅干し」らしくないと思ってしまいます。
塩気が強く紫蘇たっぷりで漬けた、えげつない赤紫色の酸っぱい「梅干し」は絶滅危惧種になってしまいました。
絶滅危惧種を救うには「梅干し」を自分で漬けるとか、「野菜」も自分で栽培するのが答えだと思いました。
自分で出来ない場合でもセンチメンタルに浸って、「メランコリーごっこ」を楽しむことが出来ますので問題はありませんが。
それでもいつかの日か「野生味」のある野菜を口にできたら、感動は大きいだろうな。
HanaAkari