「十本の針」 芥川龍之介著 を読んで

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
十本の針〈読書感想文〉 〈芥川龍之介〉作品を読んで
スポンサーリンク
スポンサーリンク

ある種の悟りや達観のような、芥川龍之介流〈悟りの十か条〉のように感じました。

この「十本の針」というタイトルを見た時に、まず初めに思ったことは「指切りげんまん、針千本飲~ます」の針のようなものだろうか?でした。

罰なのか?とにかく痛みを伴うようなもの、そんなイメージでした。

または芥川龍之介氏らしく、針の一刺しのようにチクッと心を刺激するような、鋭い感覚を期待しました。

実際に蓋を開けてみると、針の一刺しのようなチクッとするところは期待通りでしたが、ある種の「十の悟り」というのか、芥川龍之介氏の「十の達観」を手短に書き記しているのだと感じました。

針山

言葉には剣のような一面もありますから、もしかしたら針を剣に見立てているのでしょうか?

一寸法師が針の剣で鬼を退治したように…

それとも針治療のように、滞っているものを流すような願いを込めての、針かもしれません。

ですからちょっとチクッとします。

勝手な憶測しかできませんが、「十の意見」とせずに「十本の針」と題している辺りに、隠れた意図があるのだろうと思いました。

六本目の針には、思わず苦笑いをしてしまいました。

六、天国

もし天国を造り得るとすれば、それはただ地上にだけである。この天国はもちろん茨の中に薔薇の花の咲いた天国であろう。そこにはまた「あきらめ」と称する絶望に安んじた人々のほかには犬ばかりがたくさん歩いている。もっとも犬になることも悪いことではない。

無料の電子図書館「青空文庫」について

芥川龍之介
芥川龍之介

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。

「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。

著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。

日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。

様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。

実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。

〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。

良い発見をしました。

HanaAkari

タイトルとURLをコピーしました