「かちかち山」 日本昔話を読んで

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読書感想文〈かちかち山〉 〈日本人〉作品を読んで
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「かちかち山」残酷な物語で狸も兎もアウトです。|日本昔話を読んで

「うさぎさん、うさぎさん、かちかちいうのは何だろう?」
「この山はかちかち山だからさ」
「うさぎさん、うさぎさん、ぼうぼういうのは何だろう?」
「この山はぼうぼう山だからさ」
かちかち山

今でも憶えている場面ですが、単純ですがタヌキとウサギの面白いやり取りの部分は可笑しくて好きな所です。

ただ今になって昔話や童話は冷静に読んでみると、どうしても残酷な部分が気になってしまいます。

「かちかち山」もそうでした。

いわゆるリベンジ物語で、悪い事をしたら罰が当たるよ的な教訓を伝えるものだと思うのですが…

タヌキは本当に悪い奴でした。

悪戯をしておじいさんをからかう程度ならまだ良かったのですが、悪戯をする心のようなものは知らず知らずのうちに大きく膨れ上がって、少しのことでは満足が出来なくなってしまうことになり、どんどんエスカレートしてしまうものです。

タヌキがそうでした。

悪ふざけも調子に乗り、度が過ぎてしまってはいけません。

タヌキはしつこく悪戯を繰り返したので、おじいさんに捕まってしまいました。

おじいさんとおばあさんは捕まえたタヌキをタヌキ汁にするはずでしたが、人の好いおばあさんはタヌキに騙され、殺されてしまいます。

さらにタヌキはおばあさんでばばあ汁をこさえて、おじいさんに食べさせてしまうあたりは、もう常軌を逸しているでしょう。

おじいさんがおばあさんを食べてしまったことを告げられた時の気持ちを考えると、タヌキの行為は許されませんし、残酷過ぎます。

そんなおじいさんを見たウサギは仕返しを考え、タヌキを騙して、背中に火を点けたり、火傷痕に唐辛子味噌を塗りこんだりします。

傷口に塩を塗ってタヌキを懲らしめた後には、今度は海に連れて行って、タヌキには泥船を作らせ自分は木の船を作り、挑発して沖へと誘います。

泥の船は水で崩れてしまい、タヌキは船と共に海の底へと沈んで土座衛門になります。

これはリベンジ完了、めでたしめでたしなのでしょうか?

私は結局、繰り返すだけのように思い、次はウサギの身の上が心配になりました。

もしタヌキに家族や仲間がいて、このウサギの行為を知ってしまったら、次はウサギがリベンジをされる可能性がありそうです。

ウサギさん、人を呪わば穴二つですよ。

全人類の課題のようで、童話ながらに恐ろしくなりました。

そういう風に憎しみの連鎖にならないようにするためにはどうするの?…の部分を考えなさいという物語なのではないでしょうか?

また、沈むと分かっている泥の船には乗るなといった教えや、タヌキのように簡単に騙されるなとも教えてくれているのかもしれません。

「かちかち山だからさ」なんて見え透いた嘘を真に受けてはいけません、泥の船で海に出るなんてもっての他です。

勉強に励み、頭をしっかりと使いなさいということでもありそうです。

狸 信楽焼

以前に読んだことのある作品を、改めて楽しむという遊びを見つけました。

昔に読んだことのある作品を、時間が経過して価値観や人生観にも以前とは違いがある今、再度読み直してみることが私の一つの楽しみです。

大半のものは内容は忘れてしまっていて、タイトル名と作者だけが記憶に残っている場合がほとんどですので、以前とは違う自分が新しい作品を読むような感じになることが楽しくて、私の遊び心に火を灯してくれました。

久しぶりに読み直してみると、忘れていたはずの内容が思い出されたり、その作品を読むに至った経緯なども思い出され懐かしさも堪能できます。

まさに一石二鳥のささやかな趣味を見つけた気持ちです。

また今では、著作権が消滅した作品が「青空文庫」という電子図書で無料で読むことが出来るので、大変ありがたいことです。

狸

「青空文庫」とは

インターネットの電子図書館が「青空文庫」です。

「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくと面白い」という考えから始まった取り組みで、ボランティアの方々のお陰で成り立っています。

著作権が消滅した作品が集められますので古い作品が中心になりますが、古典の名作が無料で読めることは本当にありがたいことだと思います。

日本の名立たる文豪の作品が軒並み揃っていますし、どの時代になっても色褪せない機知に富んだ作品は、後世まで残していきたいものですので、読みたい時に誰でも読めるという発想と、その取り組みは素晴らしいの一言に尽きます。

様々なテキストで読むことができるようですが、私は愛用している電子書籍〈ブックライブ〉で無料で購入できるのでそちらで読んでいます。

実を申しますと〈ブックライブ〉で0円で購入できる書籍を発見したことから、「青空文庫」の存在を知りました。

〈ブックライブ〉も有料の同じ書籍を取り扱っているにも関わらず、「青空文庫」が読めるように取り計らってくれているのにも好感が持てます。

良い発見をしました。

HanaAkari

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