「欺かれた歴史 松岡洋右と三国同盟の裏面」 斎藤良衛著 を読んで

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欺かれた歴史 (読書感想文〈日本人〉作品を読んで
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外交官「松岡洋右」の補助役を担った人物の真実の暴露、魂の声かもしれません。

第二次世界大戦の時に日本は「日独伊三国同盟」を結びましたが、その締結を行った外交官が松岡洋右氏でした。

日本を戦禍の坩堝に導く大きな引き金となった、「日独伊三国同盟」を締結した松岡洋右氏は、戦後その責任を非難され、A級戦犯にまでされています。

時は令和になり、巷では隠された歴史や改ざんされた歴史など、様々のものに陽があたり出したように感じます。

そんな流れもあり、松岡洋右氏のことを知ってみたいと思い、「欺かれた歴史 松岡洋右と三国同盟の裏面」を読んでみました。

はじめに著者が書き記していた内容から潔さを感じました。

三国同盟に関する世間の非難がそのままだと、松岡には気の毒なうえ、日本の外交に対する誤解にもなることから、この真相を赤裸々にぶちまける決心をしたこと。

ある部分は松岡攻撃になるが、これがかえって彼に喜ばれるような気がする。

松岡は、ああした男であったにかかわらず、自分に対する非難を聞くのを喜ぶ良さを持っていた。

このように述べられていました。

そして松岡氏も同様に武士の心を持ち併せていたようなのが分かりました。

「殺されることくらいが恐ろしくては、国を救うことができない」松岡氏の言葉です。

流れ桜

私には政治の駆け引きのような知恵熱が出てしまいそうな内容を読むのは、苦痛に感じる時もありましたが、外交を通して日本をより良い方向に持っていこうとする、誠実で熱い想いには、侍魂を思い出させてもらえるほど強いものを感じました。

おそらく松岡洋右という人物は、大きな流れが戦争推進に向かう中にあって、獅子奮迅の如く、強い侍精神と、知略を駆使し、途轍もなく個性的に日本の未来の為に尽力されたようです。

またカリスマ性につきものの、他を圧倒する覇気が強い印象もありました。

ただ、私がこの書を読み進めるうちに感じたのは、どれだけ熱い想いを胸に、骨身を削る想いで奮闘しても、全体の連係がスムーズに行き交うことがなければ、実を結ぶのは難しいのだということでした。

一人歩きを初めていく力のある軍部を知略でもってなんとか制しようとするも、知略にはそれぞれの思惑が群がってしまい、諸刃の剣になってしまったのが「日独伊三国同盟」のようでした。

どれだけ誠心誠意を尽くしても、抑えきれない流れになってしまったのは、松岡洋右氏だけの責任というのは筋が違っているようです。

政治、軍部も責任がありますし、大きくすると国民全員の責任だと思いますので、敗戦国だからといって他の国の者が、責任の所在を決めつけ、裁くという行為にも何か違和感があります。

分断した所に、魔が差すような状況になると恐ろしく、どれだけ熱血漢が尽力しても悪循環に飲み込まれてしまうのだということかもしれません。

歴史は繰り返すと言いますが、何か今の中国の状況に似ているようで気になりました。

いつの時代も日々、真面目にコツコツ働いている人々が、泣かされます。

桜散る

「松岡洋右」の構想の着眼点が好きです。

日清戦争に勝ってしまった日本は、島から出て大陸に領土を展開するようになってから、どんどんおかしな方向に進んで行ったようです。

満洲を事実上支配し、さらにそこから中国内陸部に侵略していったのですが、軍部の言い分は、アメリカやロシアなどの強国の侵略を防ぐには、資源、物資を確保する必要がある…よって奪えるところから奪うでした。

もちろん当時の強国がやってきた歴史を真似たということになりますが、この発想になってしまうと底なし沼です。

松岡洋右氏は、力の差が歴然としているのだから大国と戦争になると、日本に勝ち目はない。

日本を守るには満洲から撤退し、隣国と手を取り合って国力を上げて行くべきだと。

ロシア、アメリカとは同盟を組んで、今でいうEUのアジア版のような構想のようなものを考えていたみたいです。

隣国と仲が悪いという感覚が長くあると、あまり意識しなくなる時もありますが、度々再燃してくるという、謎のサイクルがあるのも不思議です。

お隣さん同士連携してお互いの発展の為に力を注ぐことは素晴らしいことのように思うのですが、現実は果てしなく遠く感じるのはなぜでしょうか?

近くて遠い人間感情のもつれ、考え方の違いは、なかなかの難題です。

HanaAkari

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