旅の玉手箱【チキンビリヤニ】〈食べ物編-21〉

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旅の玉手箱 〈チキンビリヤ二〉 旅の玉手箱〈食べ物編〉
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〈チキンビリヤニ〉はインド料理の一つですが、イスラム教徒に食べられている料理です。多くのヒンドゥー教徒はベジタリアンですので、肉類をほとんど食べない文化の中で、肉食ができた数少ないケースでした。
チキンビリヤ二
食べた印象からピラフのようなものと思っていましたが、実際は炊き込みご飯の類のようです。イスラム教徒の多くいる地域では〈チキンビリヤニ〉を提供するお店を見かけました。

このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。

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【チキンビリヤニ】ハイデラバードにて|旅の玉手箱 食べ物編-21

【チキンビリヤニ】

インドの〈ハイデラバード〉はイスラム教徒が多く住む町でしたので、肉を使った料理を食べることができました。

ヒンドゥー教徒が多く住むインドの多くの地域では、大抵の人がベジタリアンですから、庶民が利用する地元の食堂で肉料理の姿を目にすることはありませんでしたから少し嬉しかったです。

同じインド人でもイスラム教徒は豚肉を除き肉食はするようで、おもに鶏肉とヤギ肉が使ってありました。

牛肉を食さないのはヒンドゥー教徒にとって、牛は神様にあたる存在ですから食することは神への冒涜になる行為ですので、インドに住むイスラム教徒は戒律的には食することは可能でも、牛肉を食することはないようでした。

暗黙の了解なのでしょうか?

ビリヤニ

インドのマクドナルドの肉は羊肉でしたし、そもそも文化的に需要が無いのも関係があるのかもしれません。

実際に食べた感覚では〈チキンビリヤニ〉はスパイスのよく効いたピラフに近い感じでした。

貧乏旅行では安くて無難な〈フライドライス〉系の料理は食べやすく、大きなハズレになる確率が低いので重宝しました。

日本でも馴染みがある系統の料理に近く、米を主体にしているのでとっつき易いのだと思います。

普通に美味しかったです。

スパイス
左から〈クローブ〉〈カシューナッツ〉〈カルダモン〉

〈ビリヤニ〉はインドのイスラム教文化から誕生しました。

〈インダス文明〉〈ガンダーラ〉〈天竺〉などという言葉が、かつてインドは現代のパキスタンと一体だったことを教えてくれます。

現代のインドになる前は、インド、パキスタン、バングラデシュは一つの国でした。

ブッダが生きた時代も今も、中国からインド方面に抜けるにはヒマラヤ山脈を迂回しなけらばいけませんから、中国からインドへの道のりはまず今のパキスタンへ向かうものでした。

〈シルクロード〉から現代では〈カラコルムハイウェイ〉と呼ばれる道を通ってパキスタン北西部〈ガンダーラ〉へ、南下して東方へ向かえば〈天竺〉に至る道のりでした。

そんな時代を経て近代に近づいてくると、西方よりイスラム国家がインドに押し寄せ、武力で制圧していく時代が訪れます。

イスラム王朝といえば〈タージ・マハル〉を造った〈ムガール帝国〉が有名ですが、他のイスラム王朝同士でも興亡があったようです。

イスラムの文化がインドに入ってくることによって、インドで〈ビリヤニ〉が誕生することになりました。

イスラム文化の流れをくむ料理になります。

ビリヤニ

こういった文化面での交流は素晴らしいことだと思うのですが反作用もあったようで、ヒンドゥー教とイスラム教という宗教の壁は越えられず、インドがイギリスの植民地から独立する際には、イスラム教徒の多い地域は分離されることになりました。

それが〈パキスタン〉と〈東パキスタン〉です。

〈東パキスタン〉はその後独立し、現在の〈バングラデシュ〉になりました。

〈チキンビリヤニ〉は美味しくても、宗教対立は今でもインド内外で続いている苦すぎる現実です。

HanaAkari

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