このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ドゥルガー】神々の怒りの炎から誕生した戦いの女神|旅の玉手箱 インドの神様編-21
【ドゥルガー】
〈ドゥルガー〉の名には、近寄りがたい者という意味があるそうです。
女神である〈ドゥルガー〉が、なぜ近寄りがたいのか?それは彼女が戦いの女神であり血を恐れない筋金入りの戦士だからです。
悪を殲滅させる為に生まれ、どんな敵にも果敢に立ち向かい勝利する。
多勢に無勢でも関係ない、ライオン(またはトラ)に乗り戦場を駆け巡る。
彼女の周囲には血の海が広がり、悪の死体が山となる。
まさに戦場こそが彼女の生きる場所、そんな女神ですが、それは彼女がそういう定めで誕生したからでした。
かつて神々は魔人〈アスラ〉の勢力によって天界を奪われてしまったことがあります。
復活をかけて神々は集まり、それぞれがおのおのの力を結集させた怒りの炎を口から吐いた。
神々の怒りの炎は一点に集約され、その中から〈ドゥルガー〉が誕生します。
そして、三つの目を見開き、10本の腕でそれぞれの神々が使用する強力な神器を操り、怒りに燃えたぎる女戦士は悪を一掃します。
女神〈ドゥルガー〉は神々の怒りの炎の結晶なので、それぞれの神が持つ単体でも強力な神器を、全て携えているという究極兵器のような存在だと思います。
そんな女神〈ドゥルガー〉は、〈シヴァ〉神の妻〈パールヴァティー〉と同一視されているのも神話の不思議です。
土着信仰されていた神々が、有力な〈シヴァ〉神派、か〈ヴィシュヌ〉神派のどちらかに吸収されていったのだと推測しています。
矛盾だらけのヒンドゥー教の神々の魅力的なところです。
真面目に考え過ぎると辻褄が合わないことも多いですが、そこら辺がインドらしいと思います。
女神〈ドゥルガー〉から女神?〈カーリー〉が出現する。
魔人〈アスラ〉軍との戦いの中で、〈ドゥルガー〉は激怒から黒く染まってしまう。
その時、真っ黒になった〈ドゥルガー〉の眉間から〈カーリー〉が出現し、〈アスラ〉をあっという間に血の海に沈めてしまった。
果たして〈カーリー〉の容姿は女神と呼べるものだろうか?
黒く染まった全身に4本の腕、その一つには肉切り包丁を持ち、一つには生首を掲げる。
髑髏を繋げた悪趣味な首飾りを垂らし、敵から切り取った手足を腰巻きにしている。
そして猟奇的に長い舌を垂らして、血走った眼を見開く。
血まみれの恐怖の女神ということですが、まさに悪魔のような形相です。
HanaAkari