このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ラッシー】インドのヨーグルトドリンク|旅の玉手箱 飲み物編-8
【ラッシー】
ヨーグルトの味は世界共通だと思います。
よほど舌が敏感な人なら違いが分かるかもしれませんが、私のような鈍感舌の人間には、同じようにしか思いませんでした。
〈ラッシー〉は日本でもヨーグルトドリンクとして知名度があるインドの飲み物ですが、インドで飲んだ〈ラッシー〉は酸っぱかったイメージだけが残っている以外は、いつも口にするヨーグルトでした。
素焼きのカップに入れられていたのは、プラスチック製品に慣れてしまっていた私にとっては、情緒があることが嬉しいことでした。
情緒だけでなく実際にプラスチックにはない、目には見えない科学的な良い効果はあると思いますが、昔からの知恵はいつまで維持されていくのかは気にかかります。
古来のインドの知恵には、素焼きは簡単に土の戻るので、大地に返せば自然とリサイクルされるという発想があったようです。
もちろん舗装されていない大地が前提なので、都市型の生活になると成り立たなくなってしまうのは必然です。
私がインドに行った時は都市部でも素焼きの容器は、〈ラッシー〉以外でも〈チャイ〉の容器として普通に使われていましたが、舗装された道に叩きつけて割り捨てられていたので、ただのゴミのようになっていました。
生活スタイルが変わっても、それまでの人間の生活習慣はすぐには変わらないということだと思いました。
プラスチック類も同じように道に捨てられるので、野良牛が飲み込んで腸を詰まらせて死んでしまうということもあると聞きました。
日本の生活からは昔からの知恵はほとんど失われてしまってしまいましたから、インドには勝手ながら同じような道を歩んで欲しくないように思っています。
インドならではの独自路線を見出してもらいたいものです。
〈バングラッシー〉なるもの
インドのバラナシにには〈バングラッシー〉を提供するラッシー屋がありました。
〈バングラッシー〉とはガンジャ(マリファナ)入りのラッシーのことです。
日本では大麻として麻薬のイメージが大半ですが、インドではガンジャは宗教的な意味合いもあるようで、マリファナ=絶対悪だという感覚ではなさそうでした。
私のタブラーの先生(バラナシで少しインドの太鼓を習った時の)は、〈バングクッキー〉を寝る前に4分の1欠けら食べると健康に良いと言っていましたが、真相は分かりません。
〈バングラッシー屋〉にはガンジャ入りのクッキー〈バングクッキー〉もあるようでした。
何より驚いたことは〈バングラッシー屋〉近くの交差点で交通整備をしていた警察官が、おもむろに持ち場を離れ〈バングラッシー屋〉に入り、一杯の〈バングラッシー〉らしきものを飲み干して、持ち場に戻って行くのを目撃したことでした。
私は心の中で「カオスだわ~」とつぶやき、目撃した行為に対して何もジャッジ出来ませんでした。
自分がそれまでに信じていた感覚は何だったのだろう?とハトが豆鉄砲をくらったように、クエスチョンマークだけがずらりと並んだのでした。
HanaAkari