旅の玉手箱【ラフティングで溺れかける】〈アクシデント編-6〉

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このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。

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【ラフティングで溺れかける】死⁉|旅の玉手箱 アクシデント編-6

【ラフティングで溺れかける

ネパールの〈ポカラ〉から〈カトマンドゥ〉に移動する途中に、リバーラフティングを組み込んだ欲張りな移動プランがあったので、もちろん賢いアイデアに乗っからないはずはありませんでした。

移動はどうしても必要なことですが、ただ移動するのではなくその途中にリバーラフティングを楽しめるのは、合理的なアイデアでした。

遊びながら別の町に移動できるとは、素晴らしいの一言に尽きました。

車で〈ポカラ〉から〈カトマンドゥ〉に向けて出発して、途中で下車し川べりに下りました。

リバーラフティング用の大きなゴムボートが用意されていて、船頭兼ガイドになるネパール人がいました。

私たちに日本人4人以外にも西洋人もいて、一緒に川に繰り出しました。

あの川が〈カトマンドゥ〉方面に向かって流れているのでしょう。

リバーラフティングをしながら〈カトマンドゥ〉に向けて移動も兼ねているのでした。

リバーラフティング

初めは川の流れは緩やかで、退屈かもしれないと思っていたら、急流はいきなりやってきました。

激しい流れに揺さぶられるのは恐怖もありますが、凄く楽しいのは興奮状態でテンションが上がっているからなんだと思います。

急流地帯ではボートから落ちないようにと必死の緊張状態でしたが、流れが穏やかになると反動でぼんやりしてしまいました。

途中で一旦、岸に上がり昼食を摂り、再びボートに乗り込みスタートです。

後半は激流はあまりなかったと思います。

穏やかな流れになると、ガイドがボートから降りて川で泳いでも良いと言ったので、全員川に入り水中遊泳を楽しんでいました。

にわかにガイドが大きな声を出し、「ボートに上がれ」と叫んでいます。

理由はすぐに分かりました。

おもむろに川の流れが早くなってきていたのです。

他の人は全員なんとかボートに上がったのですが、私は一度ボートのへりで滑り、乗り込むことに失敗してしまい出遅れました。

このたった一回のミスが命取りになったのです。

リバーラフティング

突然の急流にもうボートに上がるどころではなくなって、ボートの周囲についているロープを握っているだけで精一杯でした。

波にのまれるし、川底の岩が足に当り、擦れて痛みが連続で襲ってきました。

そして私は、急流の激しい波の発生には傾斜が強いだけでなく、川底の地形が影響しているということを、自らの体を通して学習したのです。

足が擦り傷だらけになってしまうので、必死になるべく水面の方に足を持ち上げようと試みるのですが、激しい流れと波でもみくちゃになっているのでそれどころではなく、波を被り続けるので息をするのも大変な状態になっていました。

ただ必死にボートのロープにしがみ付いているだけでした。

一度はボートが私の上に乗っかかるようにして被さり、川底の岩とボートに挟まれて背中に鋭い痛みが走りました。

後で見ると背中には大きな切り傷がありました。

ロープを握っているだけで精一杯の状態のまま、必死で息継ぎをしているしかありません。

一人の西洋人の男性がボートから川に飛び込みました。

自身も足に擦り傷を負いながら、私をボートに上らせてくれるように手助けしてくれました。

まさに命の恩人です。

また急流を過ぎ去り、落ち着いたところでその西洋人は船頭兼ガイドに向かって、激しく抗議していました。

「ガイドならもっと早く知らせるべきだ」「命に関わる問題だぞ」と。

言うべきことはちゃんと言うというあの姿勢は、見習うべきところはありますね。

あの時の私は擦り傷だらけの足と、怪我で痛む背中と疲労で、衰弱していて息をしているだけで精一杯な感じでした。

情けないことですが、あの程度で済んで幸いだったのは間違いありません。

ネパール

リバーラフティング後に、道に出てローカルバスを待つように言われました。

ラフティングを終え、川を上がった私たちは道まで案内され、そこでバスが来るのを待つように指示されました。

専用のバスが来るなんてことはなく、普段のローカルバスが通りかかるのを待つスタイルでした。

しばらく待っていると地元の人で満員で、人が溢れたバスがやってきて、これに乗らないと〈カトマンドゥ〉に行けないので、荷物置き場になっている屋根の上に乗りました。

ネパール バス

こういったことはこれまでにアジアの国々で経験していたので、特に違和感はなく、逆に気持ち良いくらいです。

バスの屋根の上に乗ったまま〈カトマンドゥ〉に到着した時は、日暮れ近くになっていました。

安全第一の日本の感覚では危険な行為として、敬遠されることかもしれませんが、私はあのくらいの緩さがあった方が気楽ですし、少々危険なのも生きて行く中で、自己責任として意識すれば彩りにもなるかと思ったりもします。

リーバーラフティングの危険な経験も、彩りでしょうね。

「命あったから言えるんだ」という意見があるかと思いますが、実際のところ命がいつまであるかなんて分からないものなので、私は無謀でない程度に人生を楽しめると嬉しいのですが…

HanaAkari

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