このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【三大古典音楽家】伝説のZRH|旅の玉手箱 インド雑学編-13
【三大古典音楽家】
インドのバラナシ知り合ったお坊さんバックパッカーのMさんから、インド古典音楽の心地良さを知ることになりました。
〈ザキール・フセイン〉というタブラー(インドの伝統的な太鼓)奏者をはじめ、超絶な音楽家が集まって作られた音楽CD「MAKING MUSIC」をガンジス川の畔で聞かせてもらった時の感動は大きなものがありました。
「MAKING MUSIC」は当時、インドの古典音楽の顔とも呼ばれる音楽家と、西洋の音楽家がその才能とインド楽器と西洋楽器を融合させた音楽の世界を楽しませてくれます。
初めてインド古典楽器、音楽を耳にして、早速ミーハー心に火が着いた私はこれよりしばらくはインド古典音楽に没入しました。
バラナシでは古典音楽を習える教室がいくつかあり、私は出来心でタブラーを習いに通ったりしましたし、古典音楽のカセットテープを買って、明かりの乏しかったインドの長い夜に聞くのが日課となっていました。
どの古典音楽が良いのか?とインド人に聞くと、みんな口を揃えて同じ人物の名前をあげました。
タブラー(インドの伝統的太鼓)奏者は、〈ザキール・フセイン〉。
シタール(インドの琵琶のような伝統的弦楽器)奏者は、〈ラビ・シャンカール〉。
バンスリー(インドの伝統的竹の横笛)奏者は、〈ハイプラサド・チャウラシア〉。
この三人の名前が必ず出てきました。
当時のインド人の間ではビッグスリーの伝統音楽家だったのでしょう。
もちろん今でも天才たちの素晴らしい音色は変わらないですし、どんなものも心の琴線に触れるものは不滅なのだと思います。
ただインドの奥深さは計り知れないと思いますので、有名でないけれども凄い奏者はゴロゴロいそうな気がします。
隠れた天才がうようよいそうですし、新しい世代の天才もいることでしょう。
実際にバラナシでは音楽教室で古典音楽の小さな演奏会がライブで聴けましたが、その時に胸の奥から熱いものが込み上げてくる奏者と出会いました。
普段はバラナシ在住の奏者が催していた演奏会ですが、運が良いことに海外でも活躍しているというシタール奏者の演奏が聴ける機会がありました。
薄暗い狭い空間がシタールとタブラーの音に溢れ、スピーカーを通さない生の音に圧倒され、目の前で演奏する奏者の超絶な指の動き、完全にゾーンに入っているような奏者の迫力、最高でした。
シタールとタブラーは音を合わせて演奏される時と、阿吽の呼吸で交互に演奏しながら、音の掛け合いを展開してゆく時があり、掛け合いの時には迫力ある音の応酬にグッと引き込まれてしまいます。
音の錬金術「MAKING MUSIC」について
私のインド古典音楽との出会いとなった「MAKING MUSIC」は、いつ聴いても飽きることのない心地良さがあります。
あの頃のインドの風景が甦ってきてノスタルジックにより、一層の情緒が増しているからなおさらです。
参加ミュージシャンは、タブラー奏者〈ザキール・フセイン〉、バンスリー奏者〈ハイプラサド・チャウラシア〉、ギター奏者〈ジョン・マクラフリン〉(イギリス人)、サックス奏者〈ヤン・ガルバレク〉(ノルウェー人)です。
ギター奏者の〈ジョン・マクラフリン〉は、シタール奏者の〈ラビ・シャンカール〉に師事したこともありますから、広い意味ではインド三大古典音楽家の共演ともいえるかもしれません。
途中に〈ザキール・フセイン〉のソロパートがあるのですが、圧巻としかいえないタブラー演奏、楽譜を言葉で発声した後に、その音がタブラーで演奏されるがアメージングです。
宇宙一とも噂されていた〈ハイプラサド・チャウラシア〉のバンスリー演奏と、まさに最強です。
またインド古典音楽と西洋音楽との融合で、素晴らしいハーモニーが醸し出されているのが、何よりも素敵です。
HanaAkari