
このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ネプ・モイ】ベトナムの香ばしいお酒で|旅の玉手箱 飲み物編-1
【ネップ・モイ】
日本にあるベトナム料理の店のメニューにあったので、「ネプ・モイ」を注文してみて思い出したことがありました。
「ネプ・モイ」はベトナムのウァッカです。
初めて飲んだつもりでしたが、知っている味だったのです。
そしてベトナム旅行の時の記憶が甦ってきました。
ベトナムの少数民族が住むの高原の町「サパ」でのことです。
棚田と少数民族が有名ですが、その棚田を見に町から離れ、のんびりと散策をしていた時に、庵の前で一人のおじさんが椅子に腰かけているところに出会いました。

手招きするので、訪ねてみると「一杯やらないか?」と小さなグラスを差し出され、お互いに言葉は全く分かりませんでしたが、お誘いに甘えてみました。
その時に飲んだお酒の味が「ネプ・モイ」の味でした。
グラスの中が少なくなってくると「もう一杯どうだ」と言わんばかりに、お酒を足してくれました。
言葉はなくても「お酒の勧め方が日本と同じだなぁ」と思ったのと、奄美大島に行った時に見ず知らずの旅行者の私を「お酒で歓迎してもらった時と同じだなぁ」、「田舎の人は何処もおおらかなんだろうか?」なんて考えながらも、相当酔いが回ったのでした。
日本の焼酎のような感じで、少し独特の香りがあり美味しかったですし、空気は綺麗だし、景色ものんびりしていて最高だったのでついお酒が進みましたが、アルコール度数の強いお酒をロックで飲んでいると、あまりお酒に強くない私はすぐにフラフラと夢見心地になっていました。

あのおじさんは一体何者だったのかな?
人の良いおじさんでしたが、一体何者だったんだろう?と思います。
少数民族の文化は女性が働き者で、男性はのんびりしている場合が多いようで、あのおじさんはおそらく少数民族の男性で、のほほんと昼日中からお酒をチビチビと楽しんでいたのではないでしょうか?
そこにたまたま私が通りかかったので、誘ってくれたのだと思います。
人のいいおじさんで特に何も話はしないのですが居心地は悪くなく、心地良い優雅なひと時をありがとうございましたという感じです。
お酒の勧め方が日本と同じだったのが、強く印象に残っています。

あのお酒が「ネプ・モイ」だったかは定かではありませんが…
日本で正式に「ネプ・モイ」を飲んだ時に思い出したお酒の味だったので、おそらくあのおじさんにご馳走になったお酒は「ネプ・モイ」のようなものだったと思うのですが、田舎でのことですので、実際は自家製のお酒なんて可能性もあるかもしれません。
「ネプ・モイ」は「もち米」が原料ですので、タイの北部やラオスでは「もち米」が主食でしたので、緯度や気候を考えるとベトナムの「サパ」も「もち米」文化圏なのではないでしょうか?
私は「もち米」が好きで、「お餅」もいいですが「もち米」を蒸しただけの「おこわ」が特に好物です。
ともあれ「もち米」から作られるベトナムのウォッカ「ネップ・モイ」を、日本で再認識できたことはちょっと嬉しい出来事でした。
初めて「ネプ・モイ」を飲んだ時から、随分と月日が流れていたので、熟成された思い出が出てきました。
HanaAkari