- ノンカイ〈Nong khai〉
ラオスの首都ビエンチャンとの国境の町。越境してすぐに、ローカルバスを使って〈アユタヤ〉を目指しました。
- アユタヤ〈Ayutthaya 〉
タイ史上最大の王朝アユタヤ朝があった中心地。遺跡群は世界遺産です。綺麗に整備された落ち着いた場所でした。
- バンコク〈Bang kok〉
次にバンコクの西側に位置する〈カンチャナブリ〉に行く前に一旦戻ってきました。
- カンチャナブリ〈Kanchanaburi〉
映画「戦場に架ける橋」の舞台。太平洋戦争の時の「泰緬(たいめん)鉄道」の橋があり、のどかな所でした。
このブログは私がバックパッカーとして、1997年9月20日出国~1999年11月16日に帰国するまでの間に訪れた場所を、四半世紀後の私が思い返してみたら、一体何が出てくるのだろうか?という好奇心から古い記憶を辿り、出てきたものを書いてみることを試みたものです。
【ムエタイ】闘技場は異様と熱気の坩堝の中|旅の玉手箱 タイ編-5
【ムエタイ】
バンコクにいる時に一度、タイの国技「ムエタイ」を見に行きました。
ムエタイ専用の競技場「ルンピニー・スタジアム」に、数人の日本人旅行者と連れ立って見に行ったのですが、一人だとちょっと恐怖を感じただろうと思うような、雰囲気がスタジアムにはありました。
試合時間は夜でしたが、蒸し暑い場内には人々の熱気と、怒気のような赤黒い空気が充満していて、全体的に薄暗かったです。
中央のステージだけにスポットライトが照らされていて、そこだけ浮き上がって、別の空間があるような感じでした。
私たちは一番安いチケットを購入して入ったので、階段状になった客席の最上部(一番後ろ)の方に観戦する場所を確保できました。
なのでリングまでは少し距離はありましたが、試合は肉眼でも十分に見ることが出来る距離で、後方という場所がら、興奮する観客の姿も見ることができて面白かったです。
試合前のワイクルー(舞)が独特な動きで、一気に世界観に引き込まれました。
選手はリングに上った後、一人づつワイクルーと呼ばれる「舞」を踊ります。
ゆっくりとした動きで、動物の動きを模写しているような感じも受けましたが、選手それぞれで型が違い、その異様さが魅力的でした。
闘いの前に感謝を捧げ、勝利を願う意味が込めれているようで、精神集中をしているようでした。
かつてはトランス状態にでもなる行為だったのだろうか?と想像しましたが、闘争心を鼓舞して戦闘態勢に入る為の儀式のようでした。
ワイクルーが始まると、リングが異様な雰囲気になり全体の空気が変わったように感じました。
観客は興奮の坩堝(るつぼ)となり、欲望が渦巻く会場に圧倒されました。
試合が始まると、会場全体が興奮に包まれ、古代ローマの闘技場コロシアムはこんな感じだったかもしれないと思ったりしました。
とにかく人々の熱気が尋常でなく、一戦終われば、ガラの悪そうなおっさん達の間で、お金が行き交いしていました。
合法の賭け事なのか?闇博打なのか?事情は分かりませんが、ムエタイの試合は賭け事の対象になっているのは間違いないような感じでした。
ガラの悪そうなおっさんというのは、大きなお世話ですが、そうじゃない人も含め、人々の手から手へお札が移動していたのは確かに見ました。
高い場所にある一番後ろの席にいたから、そういった光景が俯瞰することができたのですが、「お金が掛かっているのなら興奮するのも当然だわ」と思ったのでした。
熱気と欲望が渦巻く薄暗い空間は蒸し暑く、自分がいる空間が金網デスマッチのリング上ではないか?という気分になりました。
試合のリングにはもちろん金網はありませんが、会場全体が金網に囲まれたデスマッチ場のように思ったのです。
会場の外に出た時は少しホッとしました。
酔いから醒めた感じでした。
HanaAkari