「皇室と日本精神」 辻善之助著 を読んで

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皇室と 日本精神 (読書感想文) 〈日本人〉作品を読んで
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「愛国心や日本の心を思い起こそう」焚書が今になって世に出てくるのには、きっと訳があるのでしょう。

私は「皇室と日本精神」といったタイトルだけを見ただけでは、まずこの本を読んでみることは無かったでしょう。

正直な所、近代日本史や皇室といった関係には興味はなく、どちらかといえば敬遠していたジャンルです。

ただ、最近になってこれまでに私が学校で教わった日本の歴史は、事実とはかなり乖離したものだったと考えないと辻褄が合わないような情報が多く世に出て来て、事実に近いものは一体どれなんだろうと推理するのが面白くなってきました。

ましてや「皇室と日本精神」のようにGHQによって焚書にされた本などと聞くと、捻くれ者の私には格好の興味をそそられる対象です。

焚書

うわべだけの教育を受けてきただろう私が、なにかしらの思惑に見事に誘導され、明治以降から太平洋戦争辺りの歴史に対して興味がないどころか、忌むべき敗戦というイメージを抱いていたということは、自分の責任ではありますが、少々癪に障ることでした。

ですから少しは今の自分の感覚で、そういったものに触れてみようという気に今更ながらなったのです。

また雲行きの怪しい国際情勢に、一喜一憂するだけではつまらないので、せめてなにかしらのヒントがあれば…という思いもありました。

こちらには教科書で教わったような日本史のように、○○年に何々が起こった云々といった体温のない歴史ではなく、もっと生身の人間の歴史がありました。

俗っぽく言うと井戸端で近所の方々が、噂話をしているような感じです。

知らなかった名前の天皇、皇室の歴史には人間味があり、その中に大切な教訓のようなものが組み込まれていました。

時系列を追っていく歴史の教科書にはない、日本昔話のような物語のように皇室の歴史について身近なエピソードが語られており、その中にズバッと確信を突く教えがありました。

私は合計すると海外に3年程いたことがあり、その時に外から見て初めて日本は素晴らしい国だということを実感したのですが、しかし大袈裟に「日本は歴史がある凄い国なんだ!」と吹聴するのは、あまり好きでありません。

それぞれの国には、それぞれの良さもありますし、かつては歴史のある素晴らしい日本という国が、今でも健在かどうかは微妙なところですから。

そんな思いもありながらも、「皇室と日本精神」のような本を読んでみて思うことは、もっと愛国心と誇りは意識して過ごしてもいいのだという疼きがあり、歴史を繋いで下さった先人たちに、これから少しずつでも恥じないように心掛けようという気持ちが起こったことでした。

もちろん先賢の方々のようなことは出来ないでしょうが、高慢ちきにならないように心掛けながら、せまて日常の中で誇りを持てるようになりたいと思いました。

どこかの国の外交官が言っていました。

「いくら髪を金髪にしても、中身は違う。民族の誇りを持つべきだ」みたいな。

中身が伴えば素晴らしい言葉です。

ただ一般人の私にできることは、まず自分のことから中身が伴うように心掛けて、努力することから始めたいと思います。

富士山

GHQがなぜ「焚書にしたのだろうか?」「何が都合が悪かったのだろうか?」と考えました。

皇室のことが書かれている以外に、「皇室と日本精神」のどこが、GHQに都合が悪かったのだろうか?と余計なことを当然のことながら考えました。

日本は世界の集合地であって、世界のあらゆる文明は日本に集っている。

冒頭から「日本は世界の集合地」だ断言しているのですから、戦勝国からすると快いものではなかったのかと思いました。

日本は非常に古くから歴史のある国であり、古代から近代にかけて東西すべての中心となり、世界文明の貯蔵庫になった。

古代では朝鮮、中国、インド、ギリシャの文化が合流し、近世になって西側の文明も入った。

しかも、それらの外国文化を採取して、それを咀嚼し、これを消化するということが我が国の文化の一つの特徴である。これは我が民族の素質が優秀であることを示し、包容力の大なるを示す所以である。

確かに奈良の法隆寺にある百済観音像は、八頭身のスラッとした姿からはギリシャ彫刻の影響があるようにも感じますし、非常に凛とした美は見事です。

日本人の体形には見られない姿からはやはり、海の遥か向こうからやってきた文化なのだと実感する仏像だと思います。

近いところでは、「ハロウィン」が日本なりの定着をしたことも、何でも取り入れてしまう日本人の特徴として解釈すれば、納得できる出来事です。

こういう感覚があまりない人々にとっては、異様に見えて危険に思われたのかもしれないと思いました。

理解出来ない怖さなのでしょうか?

渋谷

学を志すものは、まず多欲を絶たねばならぬ。源を塞がばその流れは自ずと絶たれるわけである。

「萬の悪事は皆この貪欲より出るのである。慎むべきことである。おろそかにしてはならぬ」

このようにはっきり断言されては、戦争行為そのもの、ほとんど全てのことに都合が悪いことになりますから、ばつが悪すぎたのかもしれません。

即ち欧米のかぶれができた事である。

西洋文化を盛んに採り入れた結果、その弊害が起こった。その弊害は何であるか、即ち欧米のかぶれができた事である。

外国の長所を採って、我が国の短所を補う。採長補短ということは結構ではあるが、それが行き過ぎて、一も西洋、二も西洋という風になった。何でも西洋の真似を致すようになった。

それによって日本本来の歴史が大切な精神と共に捨てられたというのです。

これは現代にも続く教訓ですが、いち早く指摘していることを潰したかったのかもしれません。

「芽は若いうちに摘め」こういったことはGHQのみならず、多くあることだと思います。

HanaAkari

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